借地権名義変更時の贈与税
私名義の家屋に10年くらい前から長男が住んでいます。私は同居をしていません。土地は借地で元々は私が契約者だったのですが、7年前の借地契約の更新時に、長男と相談し契約者を実際に住んでいる長男に変更しました。最近になって長男が自宅を建替えたいという話が持ち上がりました。更新時には税金のことはまったく頭にありませんでしたのでなんの申告もしませんでした。建替えの際に、建物への課税だけでなく、土地の借地権については7年前に私から長男に変更しているので長男に贈与税がかかるのか、それともずいぶん昔のことなので贈与税はかからないのかよくわからなくなって困っています。この辺についてご教示いただけると大変助かります。
税理士の回答

大西淳史
建物を贈与された記述がございませんでしたが、約7年前に贈与されたのでしょうか?
建物の問題は一旦置きまして、契約者の変更(当然地主さんも承諾、契約書面あり)、その後の地代の支払いは長男さんが行っている。そのような状態であれば、当時、贈与があったことを立証でき、7年間での贈与税の時効は成立すると考えます。(7年間は、申告期限から起算して7年間です。贈与が平成24年であれば、申告期限は平成25年3月15日、そこから7年間なので、時効成立は令和2年3月15日)
よろしくお願いいたします。
ご回答ありがとうございます。
契約者の変更(当然地主さんも承諾、契約書面あり)、その後の地代の支払いは長男が行っていますので、贈与税の時効成立のことを教えていただき安心いたしました。
ただし、建物は昭和54年築の古い建物(評価額115万)で未登記なのですが、10年以上前に贈与税を支払い父から私に名義変更し現時点では私名義のままです。長男名義の借地に私名義の建物があり、実際住んでいるのが長男ということになっていますが建替えの時に税金面で何か問題が生じるでしょうか、まだ建替の時期は決まっていないので建替える前にやっておいた方が良いことがあればご教示ください。地主さんとはお付き合いがあるので借地契約を私名義に戻すこともできると思います。

大西淳史
税金面での問題は特にございません。相談者様の建物の取り壊し登記、長男様の建物の所有権保存登記が今後なされると思います。法務局で登記された事項は全て税務署に伝わるようになっています。もし、税務署の目に留まれば、過去の借地権の動きについて質問があるかもしれません。先方も時効を認めるとなると、相当追究してくる可能性もございますので、説明して納得させるのが大変かもしれません。
もし、将来相続税が課税されないならば、過去の借地契約を戻し、令和2年に建物を贈与します。そして自動的に借地権も贈与したとみなされますので、相続時精算課税制度(2,500万円まで無税で贈与できます)を利用して、完全に長男さんの所有物とし、税務署に何の追究もさせないことも可能です。
よろしくお願いいたします。
何度もご回答いただきありがとうございます。税務署に時効を認めてもらうのはリスクが高いようなので、アドバイス頂いたように過去の借地契約に戻そうと思います。私の説明が不十分だったのですが、建替は長男が実施し建物の名義は長男になります。説明が悪く失礼いたしました。従って過去の借地契約に戻した後、建替を行うと、「私名義の借地に長男名義の建物があり、住んでいるのが長男」ということになります。この場合、国税庁のホームページで調べたのですが「借地権の使用貸借に関する確認書」を建物の登記時に提出しておけば税金面で問題は発生しないでしょうか?

大西淳史
結論から申しましたら、建物と借地権を同時に贈与する狙いです。先ほどのご説明は、建物を贈与すると、自動的に借地権が付いてきます。(わかりにくいと思います。原則、建物単体の贈与はなく、借地権もくっつくイメージです)ただ、そうなると贈与税が多額になりますので、相続時精算課税という制度を使って、贈与税を0円にしようという狙いでした。
「借地権の使用貸借に関する確認書」は、ある意味特例で、建物のみを贈与又は建て替えをした場合も、借地権は元の所有者のままにしておきたいときに提出します。この場合、贈与額は少ないですが、借地権が相談者様のままで移転しません。地代の支払義務も相談者様に残ります。
建物の贈与又は建替えと同時に、同確認書を提出することも間違いではございません。
この方法を選択した場合、将来的に借地権を相続というかたちで取得することになります。もちろん税金面の問題はございません。
よろしくお願いいたします。
いろいろと教えていただきありがとうございました。頭の中がすっきりしました。①相続時精算課税、➁建替え時に借地権の使用貸借に関する確認書提出のどちらを適用しても、長男が私の財産を相続する時点でこの借地権が相続税の対象になり今抱えている贈与税の問題は解消されるということですね。お手数をお掛けいたしました。

大西淳史
ご丁寧にありがとうございます。
ご回答を拝見させていただいている限り、相談者様も都度いろいろとお調べいただき、ご理解いただけたと思っております。
相続税がない前提で話を進めさせていただきましたが、違っておりましたら申し訳ございません。
よろしくお願いいたします。
本投稿は、2019年12月22日 11時01分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。