親の住宅ローンを引き継いだ場合の税金について
現在、離婚した両親の共同名義の自宅に私と母が住んでいます。
確実ではありませんが、SNSで父の再婚らしきことが判明しました。
自宅の土地は母、建物が父と母の半分ずつです。
住宅ローンのほか、母の借金の抵当に入っていることから、すぐに売却はできません。
父が亡くなった際に自宅を取られないために、父の持分を私に名義変更したいと思いますが、その場合税金やリスクはありますか?
ローンも必要があれば父の分を引き継ぐことも考えています。
税理士の回答

ご心配のように、現状の名義のままでお父様がお亡くなりになった場合お父様の再婚相手もお父様の法定相続人のひとりになりますから、その方と遺産分割協議の上で建物の名義変更をしなければならない等々非常に煩わしい事態に陥ります。
できるだけ早期に建物の名義変更することは賢明なご判断かと存じます。
そこで、ご質問の建物の名義変更について考えられる次の三通りのケースの課税関係についてご説明します。
①贈与で名義変更して、住宅ローンを引継がないケース
この場合、贈与を受けた額は次の算式のとおりとなります。
〔 建物の固定資産税評価額 〕× 持分1/2 = 〔 贈与を受けた額 〕
贈与を受けた額が贈与税の基礎控除額の110万円を超えると、ご相談者様に贈与税の申告義務が発生します。
②贈与で名義変更して、住宅ローンを引継ぐケース
この場合、負担付き贈与ということになりますので、贈与を受けた額は次の算式のとおりとなります。
〔 建物の時価 〕× 持分1/2 ― 〔 住宅ローン残高 〕= 〔 贈与を受けた額 〕
贈与を受けた額が贈与税の基礎控除額の110万円を超えると、ご相談者様に贈与税の申告義務が発生します。
③建物を時価で買取ったケース
お父様は建物を譲渡したことになり、譲渡所得の対象となりますが、ご相談者様には課税関係は生じません。
なお、いずれのケースでもご相談者様に不動産取得税(都道府県税)及び登録免許税(国税)は課税されます。税額は不動産取得税が固定資産税評価額の3%、登録免許税が固定資産税評価額の0.3%です。
以上、ご参考になれば幸いです。
ありがとうございます。非常に分かりやすくご説明いただきありがとうございます。
本投稿は、2021年01月31日 08時40分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。