孫への生前贈与時の考慮点について
現在、義父の遺産相続方法を検討しています。
◼義父の状態 末期癌で余命半年の宣告
◼相続者 子供3人のみ
◼資産 預金のみ
※額は未確認ですが、相続税が掛かる金額はあるようです。
◼孫の人数 5人(全員未成年)
余命が僅かなので、長期的な生前贈与は無理な状態です。
そこで、孫への贈与で節税を考えていますが、下記について質問があります。
1,孫へ年1回の110万円贈与は非課税だという認識ですが、これを実施する場合、何か法的な手続きは必要でしようか?
孫名義の口座に振り込むだけで良いでしようか?
また、利用範囲について制限はありますか?
2,1を実施しても、総資産額が多く、相続税が掛かる場合、孫への教育資金として纏めて贈与を検討していますが、この場合、贈与金額を一定期間後使いきれなかった場合、税金が掛かるようですが、残金に対しての割合負担でしょうか?それとも、総額での割合でしょうか?
3、1,2を実施した後の総資産額が、相続税が掛かる金額より少なくなった場合、非課税となる
で認識はあってますでしょうか?
お忙しいところ、申し訳ありませんが、宜しくお願いします。
税理士の回答

1.お孫さんが未成年の場合には、親権者(未成年者の両親)の合意のある贈与契約書を作成しておくことをお勧めします。親権者の合意があれば未成年の子が贈与の事実を認識できなくても贈与が認められます。
2.教育資金の一括贈与の特例を適用した場合、受贈者が30歳になった時点で教育資金として使い切っていない残高がある場合には、30歳になった時点でその残高が贈与されたとみなされて、その残金に対して贈与税が課されます。
3.上記1.2.を行なった結果、相続財産が相続税の基礎控除額以下になれば、相続税はかからないことになります。
以上、ご参考になれば幸いです。

岸田康雄
こんにちは。公認会計士の岸田康雄です!
義父様が余命半年とのこと、辛い時期を過ごしておられることと、心中お察し申し上げます。
■ お孫様への生前贈与
お孫様への贈与の場合、生前贈与加算の対象となりませんので、効果があります。その場合、贈与の法的効力を確かにするため、贈与契約書を作る、銀行振込を行うものとしてください。
ただし、未成年者の法律行為には親権者の同意が必要ですので、贈与契約書には親が同意したものとして署名捺印してもらってください。
しかし、そもそもお金をもらうという意思表示ができない小さい子供に対しては贈与が成り立たないことになりますので、0歳、1歳への赤ん坊に贈与することには無理があるでしょう。
■ 教育資金贈与で使いきれなかった金額
せっかく贈与した1,500万円が使い切れずに残ってしまった場合、 そのお孫様が30歳になったときに、使い切れなかった金額に対して贈与税が課税されます。もし1,500万円がそのまま残っていれば、410万円の贈与税です。
その場合であっても、1,500万円が手つかず残っていれば、大きな問題になりません。なぜなら、その1,500万円の中から410万円の税金を払えばいいからです。
しかしながら、30歳になる前に、その1,500万円を教育以外の用途に使った、例えば、パチンコや競馬でお金を全て使い切ってしまった場合、大きな問題となります。なぜなら、お孫様が30歳になった年に、410万円の贈与税が課されてしまいますが、手元に現金が残っていないことになるためです。
教育資金は計画的に使わなければいけません。一般的な平均贈与金額は約700万円前後と言われていますので、1,500万円満額を贈与しても使い切れない可能性が高いでしょう。贈与金額を慎重に検討してください。
■ 贈与して財産を減らし、相続財産が基礎控除額を下回った場合、相続税は課されません。
よろしくお願い申し上げます。

岸田康雄
こんにちは。公認会計士の岸田康雄です!
義父様が余命半年とのこと、辛い時期を過ごしておられることと、心中お察し申し上げます。
■ お孫様への生前贈与
お孫様への贈与の場合、生前贈与加算の対象となりませんので、効果があります。その場合、贈与の法的効力を確かにするため、贈与契約書を作る、銀行振込を行うものとしてください。
ただし、未成年者の法律行為には親権者の同意が必要ですので、贈与契約書には親が同意したものとして署名捺印してもらってください。
しかし、そもそもお金をもらうという意思表示ができない小さい子供に対しては贈与が成り立たないことになりますので、0歳、1歳への赤ん坊に贈与することには無理があるでしょう。
■ 教育資金贈与で使いきれなかった金額
せっかく贈与した1,500万円が使い切れずに残ってしまった場合、 そのお孫様が30歳になったときに、使い切れなかった金額に対して贈与税が課税されます。もし1,500万円がそのまま残っていれば、410万円の贈与税です。
その場合であっても、1,500万円が手つかず残っていれば、大きな問題になりません。なぜなら、その1,500万円の中から410万円の税金を払えばいいからです。
しかしながら、30歳になる前に、その1,500万円を教育以外の用途に使った、例えば、パチンコや競馬でお金を全て使い切ってしまった場合、大きな問題となります。なぜなら、お孫様が30歳になった年に、410万円の贈与税が課されてしまいますが、手元に現金が残っていないことになるためです。
教育資金は計画的に使わなければいけません。一般的な平均贈与金額は約700万円前後と言われていますので、1,500万円満額を贈与しても使い切れない可能性が高いでしょう。贈与金額を慎重に検討してください。
■ 贈与して財産を減らし、相続財産が基礎控除額を下回った場合、相続税は課されません。
よろしくお願い申し上げます。
お忙しいところ、回答ありがとうございました。
大変参考になりました。
何点か確認させていただきたいのですが、
①贈与契約書は、遺言書のような厳しい制約はありますか?
②年1回の110万円贈与の使用用途は限定されていますか?また、何に使ったかの証跡を残しておいた方がよいでしょうか。、

ご連絡ありがとうございます。
贈与契約書は遺言書のような厳しい要件はありません。
贈与者のあげるという意思表示と、受贈者の貰うという受諾の両方が記載されていれば大丈夫です。
なお、受贈者が未成年の場合には、その未成年者の親権者(その子の両親)が合意していることが必要ですので、署名捺印は親権者が行うようにしてください。
贈与された財産(お金)は受贈者のものですので、受贈者が何に使おうとも自由です。使途に制限はありません。ただし、贈与の形を繕った形式的なものですと名義預金と認定される危険性がありますので、受贈者のために使ったということが分かるようにしておかれると良いと思います。
宜しくお願いします。
ご回答ありがとうございました。
検討の参考にさせていただきます。
本投稿は、2017年08月14日 19時08分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。