母が相続したマンションに息子が住めるかについて
去年1月に父が亡くなり、同居していた母が父名義のマンションを相続しました。
私含め息子は三人いてそれぞれ別居しています。
相続時に小規模宅地の特例が適用されたと認識していますが、このマンションに息子のうちの1人が住むことは、税法上何か引っかかることはあるでしょうか。
兄に言わせると、「相続(母減税)の都合上、向こう3年間は売却、賃貸もできず、家族と言えども住民票を移して住まわせることは不可」という見解なのですが、果たして正しいのでしょうか?
小規模宅地の特例で言う3年間は、相続開始前3年以内とあるので、この場合母が次に亡くなった場合、過去3年以内に息子が住んでいると特例が受けられないと言うことかと思いましたが、その辺りの見解をご教授いただきたいです。
また、タダで済むと小規模特例が適用不可という記事も読んだのですが、そもそも賃料を親に払えば問題ないのかも併せてお伺いしたいです。
よろしくお願い致します。
税理士の回答

ご質問の「マンション」とはお父様とお母様のご自宅のマンションであることを前提に回答いたします。
相続時に小規模宅地の特例が適用されたと認識していますが、このマンションに息子のうちの1人が住むことは、税法上何か引っかかることはあるでしょうか。
→特に引っかかることはありません。
配偶者が被相続人の居住用敷地を取得した場合は、小規模宅地等の特例の適用に当たり、その他に特別な要件がありません。
兄に言わせると、「相続(母減税)の都合上、向こう3年間は売却、賃貸もできず、家族と言えども住民票を移して住まわせることは不可」という見解なのですが、果たして正しいのでしょうか?
→上記の回答のとおりとなりますので、正しくないです。
小規模宅地の特例で言う3年間は、相続開始前3年以内とあるので、この場合母が次に亡くなった場合、過去3年以内に息子が住んでいると特例が受けられないと言うことかと思いましたが、その辺りの見解をご教授いただきたいです。
→被相続人と同居している相続人がいた場合、その相続人が取得しないと小規模宅地等の特例を適用できません。
つまり、ご相談者様がこれからお母様と同居すると、お母様の相続の時は、ご相談者様が取得する場合でのみ、小規模宅地等の特例を適用できることとなり、お兄様が取得し特例適用する道が無くなってしまうので、ご相談者様の同居に反対されているのかとお察しいたします。
また、タダで済むと小規模特例が適用不可という記事も読んだのですが、そもそも賃料を親に払えば問題ないのかも併せてお伺いしたいです。
→タダで同居していても、要件さえ満たしていれば小規模宅地等の特例は適用できます。
ご回答大変ありがとうございます。
先生のコメントの
「→被相続人と同居している相続人がいた場合、その相続人が取得しないと小規模宅地等の特例を適用できません。
つまり、ご相談者様がこれからお母様と同居すると、お母様の相続の時は、ご相談者様が取得する場合でのみ、小規模宅地等の特例を適用できることとなり、お兄様が取得し特例適用する道が無くなってしまうので、ご相談者様の同居に反対されているのかとお察しいたします。」
の部分で追加質問致しますと
・母は現在老人ホームで暮らしており、マンションは空き家になっていますが、その場合も同居とみなされるでしょうか
・母が死亡後息子達共有で相続したい場合も、私が居住してしまうと特例の対象外になるでしょうか

老人ホームに入居されている場合、老人ホーム入居直前に被相続人の居住の用に供されていたかで判定いたします。
また、お母様の老人ホーム入居後に他の利用の仕方をする、例えばご相談者様が住むといったようなことがあれば、小規模宅地等の特例は適用できなくなります。
したがって、先ほどの回答とは一転して、お兄様のおっしゃっていることは、ほぼ正しいです。補足するならば、「向こう3年間」ではなく、お母様がご逝去されるまで現在の空き家の状態を維持しなければなりません。
なお、小規模宅地等の特例を適用するには、上記の事実関係を作った上で、将来的に相続する子が、いわゆる「家なき子」の要件を満たしている必要はあります。
ご丁寧に解説いただき、どうもありがとうございます。
本投稿は、2023年10月09日 19時10分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。