相続遺産(預金)の名義について
夫が亡くなり、私と子ども1人が相続人です。
預金の手続きはすでに済み、いったん私の口座にすべて集めました。
その後、子ども名義もあった方が良いかと思い、一部だけ子ども名義で預金したのですが、
これは贈与税の対象になるでしょうか。
申告で配偶者の特別控除を申請しますが、
子ども名義にしたものをいったん私名義に戻したほうがいいでしょうか。
税理士の回答
相続は、遺産分割協議書によって相続財産が決まります。その決まった相続財産に応じて相続税の負担額が算出されます。
したがって、便宜的に払い出された預貯金を質問者様が一旦預かり、遺産分割協議でご子息に一部のお金を分け、その分けた金額に対応する相続税が算出されます。
子ども名義にしたものをいったん私名義に戻したほうがいいでしょうか。
その必要はありません。
あなたとお子様の間で遺産分割協議をしなければなりません。
お子様が未成年者であれば特別代理人を立てる必要があり、分割割合は原則、法定相続分(あなたとお子様が2分の1ずつ)になります。
いったんあなたの口座に集めることは手続上のことですので問題ありませんが、遺産分割協議後はその分割割合にしたがって、むしろ子の取得分は子の預金口座に相続財産として入金すべきで贈与にはなりません。

三嶋政美
「遺産分割として子に帰属させた資金」であれば贈与税の対象ではありません。死亡後いったん母口座に集約しても、遺産分割協議書(相続人全員署名捺印)で子の取得額・振込先を明記し、その協議に基づく名義移しとして整理できれば問題ありません。逆に、母の取得分が確定した後に任意で子へ移した扱いだと贈与課税リスクが生じます。対応は①遺産分割協議書の作成・日付明記②払戻・振替の控え、通帳コピーの保存。配偶者の税額軽減は母の取得分にのみ適用されます。すでに移した分を戻す必要は原則なく、「相続としての位置づけ」を書面で固めることが最優先です。
本投稿は、2025年09月12日 14時11分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。