不動産の相続に伴う取得費の算出について
相談させて頂きます。
先月、祖父の家屋を相続しました。
50年以上前に購入したと聞いておりますが、当時の取得費は不明です。
現在の住まいからかなりの遠方にあるため、更地にした上で地場の不動産を介して工務店に売却しました。
売却額は1600万程度です。
売却のタイミングで、不動産会社の担当者より譲渡所得税が発生するとの説明を受けました。
その考え方として、取得費が不明な場合は売り上げの5%を原価と見做す事となるとの説明を受けました。
確かに、国税庁のHPには「見做すことが可能」と書かれています。
しかしながら、少し調べてみると路線価等から算定できるような事も書かれています。
仮に5%を原価とするならば、経費を考慮すると譲渡所得税は250万円超です。
仮に路線価等で80%程度である事が確認できれば、譲渡所得税は20万程度です。
現実的に考えて、50年程度の間に地価が20倍に上昇したなんてことはあり得ません。
一律、5%として扱うことにはかなりの違和感を抱くのですが、仕方ないのでしょうか?
(本人の意図に反して、火災による消失や盗難などで紛失するケースもあると思います)
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

土地等の譲渡所得の計算における概算取得費の規定は、昭和27年12月31日以前に取得した土地等で取得価額が不明な場合には「100分の5に相当する金額とする」とされておりますので、選択の余地無く5%が取得費となります。
しかし、昭和28年1月1日以降に取得した土地等に関しては、措置法通達において、「準じて計算して差し支えない」と書かれています。つまり、概算取得費が強制されるのではなく、採用するかどうかは納税者の任意となっております。
50年程度前との事ですので、後者に該当します。
実際の取得費が不明な場合の合理的推定方法としまして、「市街地価格指数」を基に算定する方法が有ります。一般社団法人日本不動産研究所が公表しているもので、平成12年3月末を「100」とする指数になっています。
お祖父様が取得された時期の指数と、売却時の指数の比率を基に、取得価額を推定計算します。
この方法は国税不服審判所でも合理的な算出方法の一つと判断されております。
「市街地価格指数」は一般社団法人日本不動産研究所のホームページ等で公表されてますので、ご参照ください。
宜しくお願いします。
本投稿は、2014年12月20日 13時12分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。