代償金の支払いについて
一つ質問させて下さい。
母の自宅を売ることなく、誰かが相続する場合、他の兄弟に代償金を支払う必要があると思うのですが、調べると、基本的にはその自宅を取得した相続人の預貯金から支払う必要がある、とありました。
相続人自身にそれだけの預貯金がない場合は、相続した預貯金から支払うことはできないということでしょうか?
ある程度は、相続人の預貯金から支払い、足りない分は相続した預貯金から支払うことはできないのでしょうか?
相続人の預貯金から支払うことができない場合、そもそも代償金による分割はできず、売却するしかないという理解でよろしいですか?
また、代償金の準備のために、生前中に、被保険者を被相続人にし、受取人を自宅を取得する人にすれば、代償金は準備できると思います。
その際、保険料の支払いを自宅を取得する予定の相続人が支払えば文句はないと思いますが、保険料の支払いを被相続人が支払うことになれば、保険料の負担もなく代償金に充てるお金を得て、更に自宅も取得するとなると、不公平感が強くなる気がします。
実際は、被相続人が負担する場合と、相続人が負担する場合と、どちらのケースが多いですか?
質問ばかりで恐縮ですが、教えていただければ幸いです。
税理士の回答
国税OB税理士です。税務署では、相続税贈与税の担当部署の管理職をしておりました。
代償金お支払いは、遺産分割の一つの方法にすぎません。被相続人の金で払っても構わないし、財産の分け方は千差万別です。
被相続人の全体の財産がわからないと相談は難しいですよね。
私自身は、母の相続時に相続放棄の手続きを3か月以内に家庭裁判所に手続きを行っています。(相続放棄をする相続人もいるかもしれないし)
被相続人に遺言書を書いてもらうという方法もあります。
相続人同士が仲良く分割が行えるようにできるかも含めて、相続の事前相談を行っている税理士さんもいます。相続税分野に強い税理士さんに相談されることをお勧めします。
相続人の預貯金から支払い、足りない分は相続した預貯金から支払うことはできないのでしょうか?
できます。
調べた先では、相続した預貯金で調整できるのであれば、代償分割するまでもないと言っているのではないでしょうか。
保険料の負担もなく代償金に充てるお金を得て、更に自宅も取得するとなると、不公平感が強くなる気がします。
当然そのとおりになるでしょう。
被相続人が負担する場合と、相続人が負担する場合と、どちらのケースが多いですか?
一般的には相続人が負担する場合でしょう。
相続人の預貯金から支払うことができない場合、そもそも代償金による分割はできず、売却するしかないという理解でよろしいですか?
他の相続人にとっては不動産相続人が代償金を支払えないのに代償分割はありえません。
なお、お母様がご生前中に、遺言書を作成すれば代償分割せずにひとりの相続人が不動産を単独取得することができます。(ただし、遺留分は考慮すべきです。)
西野先生、中田先生、ご回答ありがとうございました。相続人の預貯金に限らず、相続した預貯金から支払うこともできる点、よく分かりました。
なんにせよ、代償金の準備にしろ、遺言書の準備にしろ、生前中の準備が大事であると思いました。
ご回答ありがとうございました。
実家を相続する方は、売却を想定しないで持ち続ける事になるので、金銭だけをもらう相続人よりも、相続税の納税やその後の維持にお金がかかるので、遺産分割の時には、考慮してもらえるように生前から、お母様を含めてご兄弟と話し合っておくことも大切です。
「生前中の準備が大事であると思いました。」はそのとおりです。
終活という言葉はありますが、ご自身やあるいはご家族がいざ相続のことを考えるのはなかなかハードルが高いのが現実です。
そうした中で、ご質問者様がこのようにご相談されるだけでも大変よいことです。
先述のとおり、遺産分割協議で争いにならないように遺留分を考慮した遺言書をお母様に作成してもらってはいかがでしょうか。
西野先生、中田先生、ご回答ありがとうございました!
争続にならないように、生前にできることは何か?を考えたいと思います。
本投稿は、2022年12月10日 17時42分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。