義姉が夫の相続をしない場合、「相続放棄」か「ゼロ円相続」か
夫と私の2人家族です。
夫には姉が1名と子供3名がいます。
夫は遺言書を書いてくれていて、全ての財産を妻(私)に残す、としています。
夫が亡くなった後、義姉やその子に話す予定でいます。
納得してくれたら、私が全ての財産を相続するわけですが、
その場合、義姉たちには「相続放棄」の手続きを依頼しなければならないのでしょうか?
それとも、相続税申告書作成の際に「0円を相続する」というような形で
押印をお願いするのでしょうか?
税理士の回答

米森まつ美
回答します
兄弟姉妹には「遺留分請求権」がありません。
そこで、相続が発生したときはその旨をお姉様にはお伝えする必要はあると思いますが、相続放棄まで依頼する必要はないと思います。
また、お姉様のお子様は、お姉様が亡くなったときの「代襲相続」になりますので、お姉様が健在の時は特にお伝えも必要ないと思いますが、親戚付き合いの度合いが分かりませんので、お伝えしても特に問題はないと思います。
なお、相続税の申告の際には、遺言書の写しを添付することになりますので、お姉様の申告書への記載も押印も不要です(現在、税務申告書類には押印は不要となっています)
蛇足ですが
遺言書は、公正証書遺言で作成されていますか。
自書遺言の場合、その遺言書が「無効」として改めて遺産分割協議書の作成を依頼されるかもしれませんので、なるべく「公正証書遺言」で作成されることをお勧めいたします。
回答ありがとうございます。
義姉が健在の場合は、夫の意思を伝えて、納得してもらえば
その後、義姉には何も依頼しなくていいのですね。
義姉が夫より先に亡くなっている場合は、
その子(夫の甥、姪)には、特に話す必要もない、という理解でよろしいでしょうか?
遺言書は、自署です。
自筆証書遺言所保管制度は検討していますが、「無効」となることもあるのでしょうか?
気になっているのは、資産はその都度変わっていきます。
家、預貯金、株など、金額も種類も変わるので、
「妻に全財産を相続させる」の一言で有効になるのなら、助かるのですが
そういう作成の仕方でもいいのでしょうか?

米森まつ美
>義姉が夫より先に亡くなっている場合は、
その子(夫の甥、姪)には、特に話す必要もない、という理解でよろしいでしょうか?
⇒ いいえ、その場合は甥御様や姪御様が「代襲相続人」になりますので、その時には、甥御様達への説明は必要になります。
>自筆証書遺言所保管制度は検討していますが、「無効」となることもあるのでしょうか?
⇒ 「自筆証書遺言所保管制度」は、保管をしてくれるだけであり、その遺言書の有効性まで証明する物ではありません。
また、「自筆証書遺言書」が全て「無効」となる訳ではありませんが、義姉様や甥御様達とのお付き合いの程度や人柄が分かりませんので、「公正証書遺言書」が安心であると、蛇足としてお伝えしました。
>「妻に全財産を相続させる」の一言で有効になるのなら、助かるのですが
そういう作成の仕方でもいいのでしょうか?
⇒ このような記載方法でも有効であると聞いています。
念のため、奥様の生年月日やお名前なども記載するとよりよいとも聞いています。
遺言書の作成に関しては、税理士は専門外となりますので、より詳しい相談は弁護士先生に問い合わせた方が良いと思います。
弁護士ドットコム様でお問い合わせわされてはいかがでしょうか。
ご丁寧な回答、ありがとうございました。
義姉が存命の場合は、義理姉に話し甥姪にまで話す必要はないが、
義姉が他界している場合は、甥姪が代襲相続人なので、話す必要がある、ということですね。
遺言書の保存方法についてもアドバイス、ありがとうございました。

米森まつ美
義姉が存命の場合は、義理姉に話し甥姪にまで話す必要はないが、
義姉が他界している場合は、甥姪が代襲相続人なので、話す必要がある、ということですね。
⇒ ご理解のとおりとなります。
少しでもお役に立てましたら幸いです。
ありがとうございました。
とてもわかりやすいお返事で、助かりました。
本投稿は、2024年01月10日 12時10分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。