相続発生後に検査で発達障害が発覚。控除は受けられるのでしょうか?
相続発生後、病院で検査を受けたところ発達障害であるとの結果でしたが、診断書を頂いて精神障害者福祉手帳の申請をするにはおよそ1年の通院が必要とのことでした。
この場合、障害者控除は受けられないのでしょうか?
手帳交付後、修正申告?更正の請求?をすれば受けられるのでしょうか?
それとも、診断書を頂いて手帳の申請が済んだら、診断書を添えて期限後申告をすればよいのでしょうか?
自分で調べてみたところ、障害者控除は当初申告要件ではないとは出てきましたが、これが相続発生時点で手帳を持っている人が控除を忘れた場合に限るのか、私のような場合にも適用されるのかよくわからなかったので質問いたしました。
ご回答頂けますと幸いです。
税理士の回答

回答申し上げます。
【判断】今回のご質問の件では、更正の請求での障害者控除の適用は難しいかと判断しております。
【理由】
相続税財産通達基本通達(障害者として取り扱うことができる者)より、
①相続税の申告書を提出するときまでに申請中
②医師の診断書により、相続開始時に明らかに手帳に記載される程度の障害があると認められること
とされております。
障害者手帳の交付申請は、交付されることが確実と見込まれる場合に申請できるものであるかと存じますので、上記の通達になっているかと思いますが
ご質問者様のケースですと、相続税の申告書を提出するときまでに、障害者手帳の交付申請をできるか不明瞭である点がネックになるかと存じます。
「相続税の申告書を提出するときまで」というのは、財産評価基本通達によれば「相続税法第27条に規定する相続税の申告書を提出する時」とあり、相続税法27条は、相続開始から10ヶ月以内に相続税の申告書を提出する「当初申告」のことを指しています。
そのため、本来の申告期限までに申請ができなかった場合は、障害者控除の適用はできないと判断いたしました。
(下記ご参考用です)
※わかりやすくするため一部省略・強調文言に「」をつけます。
相続税法基本通達19の4-3(障害者として取り扱うことができる者)
相続開始の時において、精神障害者保健福祉手帳・身体障害者手帳の交付を受けていない者であっても、「次に掲げる要件のいずれにも該当する者」は、一般障害者又は1特別障害者に該当するものとして取り扱うものとする。
(1) 相続税法27条に規定する相続税の申告書を「提出する時」において、これらの手帳の「交付を受けている」こと又はこれらの手帳の「交付を申請中」であること。
(2) 医師の診断書書により、「相続開始の時の現況において」、明らかにこれらの手帳に記載される程度の障害があると認められる者であること。
相続税法27条(相続税の申告) ※一部省略
相続又は遺贈により財産を取得した者は、当該被相続人からこれらの事由により財産を取得したすべての者に係る相続税の課税価格の合計額がその遺産に係る基礎控除額を超える場合において、その者に係る相続税の課税価格にかかる相続税額があるときは、その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から10月以内に課税価格、相続税額その他財務省令で定める事項を記載した申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
ご回答ありがとうございます。
よく分かりました。
調べてみたところ、発達障害は初診日から6ヶ月を過ぎたら手帳の申請は可能なようなので、医師に事情を詳しく話して申告期限前に交付申請できないか模索してみようと思います。

御確認いただきありがとうございました。
お医者様にご相談の上、ご検討お願い申し上げます。
本投稿は、2025年06月04日 11時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。