借家を相続する場合の相続税について
父が居住する借家を私が相続する予定ですが、比較的広い床面積の借家(借家が建っている土地面積100m2)であるため、相続税が高いのではと心配しています。
借家を相続する場合の相続税の計算方法は、土地面積は関係なく、
建物の固定資産税評価額 × 借家権割合30% = 相続税
という理解で正しいでしょうか?
税理士の回答
基本的には、その様に計算します。
しかし、借家権の対価として「権利金」などの名目にて金銭が取引される慣行のない借家の場合には、借家権は評価しないこととします。
「抜粋」
借家権の評価
(1) 借家権の評価方法
借家権の評価は、財産評価基準に定める借家権割合及び精通者の意見を参考として評価する。ただし、適当な取引事例がある場合には取引事例比較法によることとし、この場合には、1借家権の対抗要件の具備の有無、2家賃、借家期限その他の借家条件、3建物の種類及び構造、4立地条件等を検討し、所要の調整を行う。
(2) 借家権評価の留意事項
借家権の価格は、建物自体の価格及び借地権価格に一定割合を乗じた価格で示されるのが通常であるが、1平方メートル当たり又は1畳当たりで示される場合もあるため、その地域の慣行によって評価する。
(注) 借家権の経済的性質は必ずしも明らかではなく、場所により、また具体的契約により異なり、しかも、借地権以上に個別的性格が強く、一般に評価が難しいが、通常その価格は家賃の前払的要素と場所的利益(営業権的要素も含む。)の対価の要素とを包含しており、更に、立退料的な性格を有する場合もある。
(参考)
使用貸借に対する補償価格について、公共用地の取得に伴う損失補償基準(昭和37年10月12日付用地対策連絡会決定)第13条では通常の借家権価格の3分の1程度とされている。

家屋を借家する際に、借家権の対価として「権利金」などの名目にて金銭が取引される慣行のない借家の場合には、借家権は評価しないことになっています。
相談者様の質問を見ると、単なる建物を借りているということだと判断できるので、その場合は借家権を相続財産に加える必要はありません。
本投稿は、2018年08月05日 07時34分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。