高齢の両親の貯金を私の口座に移してしまったのですが、戻せば贈与税を払わなくて済みますか?
両親の銀行口座から安易に私の口座に貯金を移してしまいました。父が脳出血で緊急手術をし、危ない状態でした。もし亡くなると銀行口座が凍結されて、葬式代も引き出せないと知人より聞き、慌てて大金を私の口座に移したのが始まりです。更に、高齢の母も足が悪く銀行に連れて行くのが大変なので、同様に移しました。
当時、相続税を払う程の遺産は無いので、相続を早くしただけと思っていたのですが、存命中は贈与税を払わなくてはいけないと知り、大変なことをしてしまったと悩んでいます。
尚、今年31年3月に父が亡くなり相続の申告はしていません。
(3000+600×3=4800未満)
H29 両親の口座から
H30 母の口座からのみ
H31 (父の死後)父の口座からのみ
1 母の口座へ移した分を戻せば贈与税を払わなくて済みますか?
2 もしできるとしたら、生前贈与をしてから戻しても大丈夫ですか?
3 来年R2にも生前贈与したい。
4 父が亡くなっているので父の口座に戻すことはできませんか?(口座凍結はされ ていない)
あるいは、2年経たずに亡くなっているので相続税としての計算に入れられて、 生前贈与にならずに済みますか?
贈与だと、贈与税はどれ位になりますか?
5 父の死後に移した分は死後なので、このままにしておいても問題ありませんか?
馬鹿なことをしてしまったととても後悔しています。
尚、私の口座に移した分は1円も引き出していない状態です。普通預金にそっくり入ったままです。
どうぞよろしくお願い致します。
税理士の回答

お父様から移した預金は名義預金としてお父様の財産に加えて相続税の申告を行ってください。
お母様から移した預金は速やかにお母様の口座に戻して頂くのが宜しいと思います。
お母様には贈与の認識がないと思いますので、戻して頂ければ贈与税は回避出来ると思います。

米森まつ美
贈与は、あげる、もらうの意思表示があって初めて効力が生じます。
お父様や、お母様から、貴方に贈与の意思表示がなかったのであれば、贈与は成立せず贈与税の対象にはなりません。
しかし、お父様からの移した預金は名義預金又は預かった金員として、相続税の対象として申告を行ってください。
お母様から移した預金は、早急に戻されることをお勧めします。
服部先生、米森先生、回答ありがとうございます。
父の遺産は相続税がかからない金額なので、そのままにしておいて良いでしょうか(3000+600×3人=4800未満です)相続税がかからないのに申告をしなくてはいけないのでしょうか?土地や株を含めて1千万円もありません。申告するとかえって税部署に目をつけられませんか?
また、母の分は、今年の分として、生前贈与をした後に(110万×3人=330万)戻してもいいですか?あるいは相殺してもいいですか?よろしくお願い致します。

米森まつ美
>相続税がかからない金額なので
それでは特に申告は必要ありませんが、「遺産分割協議書」や「遺産明細書」などで、貴方の口座に入金した金額も含めて記載した方が、あとあと「贈与」ではなかったことの裏付けになると思います。
>母の分
一旦全部返還した後に、お母様の贈与の意志を確認したうえで、各人が頂くことをお勧めします

ご連絡ありがとうございます。
お父様の遺産総額が相続税の基礎控除額以下であれば、相続税の申告は必要ありません。ただし、お父様の遺産を相続人間でどのように分けたかを明確にしておく必要があります。それを書面にしたものが遺産分割協議書になります。
土地や株式の名義変更などの手続きでも必ず必要になりますし、お父様の口座から移動した資金を贈与と認定されないためにも不可欠なものになります。
お母様の資金移動に関しては一度全額を返金して、改めて正しい方法で贈与して頂くのが望ましいと考えます。
米森先生、服部先生、回答ありがとうございました。
遺産分割協議書の必要性がよくわかりました。
実は、土地と家の名義を私に変更するため司法書士の先生にお願いするつもりだったのですが、兄が自分の名義にしたいと言い出し、母が亡くなるまでは取りあえず父のままにしています。司法書士の先生から固定資産税の支払いを母にしておけば大丈夫と言われました。原戸籍は母の分も含めて取り寄せてもらいました。
司法書士の先生の相談時には、貯金を移したことを間違ったと思わず、最近になって贈与になるのかもと心配しだしたので、当時、司法書士の先生には話していません。また税務のことは司法書士の先生の専門外なので、税理士さんに相談したいと思った次第です。
家と土地を除いた分の遺産分割協議書を作ることができますか?または遺産明細書なら土地の相続人が決まっていなくても作れますか?度々の質問ですみませんが、よろしくお願い致します。

米森まつ美
協議が整った遺産のみ遺産分割協議書を作成することはできます。
その際にも相続人全員の署名実印が必要になります。(司法書士様が専門となります。)しかし、メリット、デメリットがあります。
メリット
取得者が決まった遺産の名義変更が可能
分割が決まらない遺産が明確になる。
デメリット
残りの遺産について分割協議者が必要
一部分割した遺産以外の遺産分割に与える影響を考える必要がある。
本来ならば、遺産を同時に分割する手続きを進める方がスムーズです。
全体としての適正な遺産分割という見地からも全遺産を同じくして協議をした方が良いと思います。
また、遺産分割が整わないと税務の優遇が受けられない可能性もありますし、遺産分割を放置することにより「数次相続」が発生し、今後、権利関係が複雑になることもあります。(収集がつかなくなる)
お母様の死去(二次相続)後のことも含めて、今から遺産分割をされたらいかがでしょうか。

財産別に遺産分割協議書を作ることは可能です。早めに預金だけでも解約換金したい場合や、不動産を早期に売却する事情がある場合などに、実務ではよく行う方法です。
今回は不動産以外の財産に関する遺産分割協議書を作成し、不動産を相続する人が決まった時点で速やかに相続登記をして頂ければ大丈夫です。
なお、不動産についての協議を行わずそのまま放置することは、単に問題を先送りをするだけになります。不動産の取得者についても皆さんで協議して、早めに相続登記の手続きをしておかれた方が良いと考えます。
米森先生、服部先生、回答ありがとうございました。
財産別に遺産分割協議書を作ることができると伺って、ほっとしました。
先生方がおっしゃるように、不動産の相続登記が早くできるようにしたいと思います。
何回も回答して頂きありがとうございました。
本投稿は、2019年07月19日 16時55分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。