相続人の一人が無申告の場合
今月末に、相続税の申告期限を迎えます。相続人の一人(A、90代)が「相続手続は全部自分でするので全て任せなさい。税務署にも直接交渉して税金はゼロにしてみせる。」と聞く耳を持たず、勝手に税務署や法務局に足を運んで職員に質問をしたり、手書きで遺産分割協議書や相続税申告書を書こうとしています。
遺産分割の話自体ままならないので、A以外の相続人は未分割で申告することになりました。懇意にしている税理士には既に依頼しています。
税理士からは、「Aは無申告になるため、後日、税務署からA宛てに無申告に関する何らかの問い合わせがあるはず。ただ、こういったケースは経験がないので正直どうなるかよくわからない。」と言われています。
・このまま申告期限を迎えた場合、Aはどうなるでしょうか?
・Aが自分の相続税を払わない場合、他の相続人に影響は及ぶでしょうか?
・Aに対して何かすべきことはあるでしょうか?
税理士の回答
法定申告期限までに遺産分割が整わない場合には、未分割で相続税申告を行わざるを得ないことになります。未分割で相続税申告を行う場合には、分割確定後に備えて、「申告期限後三年内の分割見込書」を提出し、後で各種特例が受けられる状態にしておいた方がいいと思われます。
相続税申告は相続人全員が共同で申告するのが基本ですが、別々に申告することができます。しかし、Aが無申告の場合、又は、記載内容に相違点がある場合には、どれが正しい内容なのかを見極めるために、税務調査の対象になる可能性が高くなります。
また、相続税には連帯納付義務というものがありますので、Aが自分の相続税を滞納すると、他の相続人が連帯して納付する義務が生じます(ただし、自分が受けた相続財産を限度とします)。
また、申告後のトラブルに備えて、相続税の納税額があることなど申告内容をAに知らておく必要があると思われますので、申告書の写しをAに送付しておくのがいいと思われます。
本投稿は、2020年07月06日 11時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。