相続で取得した不動産の売却につきまして
お世話になります。
相続の分割協議中ですが、不動産の取得の可能性が出てきましたので、
以下の点、ご相談させていただきます。
●取得した不動産を売却する場合に、一般的な売却益への課税(短期譲渡所得または
長期譲渡所得)が発生することは理解しているのですが、そのほか課税の観点から想定
をしておいた方がよいことなどあれば、ご教示いただけますと幸いです。
よろしくお願い致します。
税理士の回答

竹中公剛
下記を参照してください。
No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
[令和2年4月1日現在法令等]
1 相続税が取得費に加算される特例(相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)
(1) 特例の概要
相続又は遺贈により取得した土地、建物、株式などの財産を、一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができます。
(注) この特例は譲渡所得のみに適用がある特例ですので、株式等の譲渡による事業所得及び雑所得については、適用できません。
(2) 特例を受けるための要件
イ 相続や遺贈により財産を取得した者であること。
ロ その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
ハ その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。
(3) 取得費に加算する相続税額
取得費に加算する相続税額は、次の算式で計算した金額となります。ただし、その金額がこの特例を適用しないで計算した譲渡益(土地、建物、株式などを売った金額から取得費、譲渡費用を差し引いて計算します。)の金額を超える場合は、その譲渡益相当額となります。
なお、譲渡した財産ごとに計算します。
<算式>
その者の相続税額×その者の相続税の課税価格の計算の基礎とされたその譲渡した財産の価額÷(その者の相続税の課税価格+その者の債務控除額)=取得費に加算する相続税額の計算式
2 この特例を受けるための手続
この特例を受けるためには確定申告をすることが必要です。
確定申告書には、1相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書、2譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書【土地・建物用】)や株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書などの添付が必要です。
1の計算明細書を利用すると、取得費に加算される相続税額を計算することができます。
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例が適用できるかもしれません。
一方で、相続税がかからなければ当然、相続税が取得費に加算される特例は適用できません。
そのほかに登録免許税、固定資産税がかかってきます。
相続人が将来売却することで一致しているのであれば、共有で相続する方法もありますし、相続税がかかるのであれば小規模宅地の特例が適用できる相続人に相続してもらい代償金を受け取るという方法もあります。
詳細は是非、税理士に相談することをおすすめします。
本投稿は、2020年10月04日 11時29分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。