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相続時精算課税制度について、負の相続の場合はどうなりますか?

あれから、更に考えてみましたが、アパート等を長男に相続する場合、年齢的に後、20年支払うのは不可能と考えたあげくの結論です。アパートを相続時精算課税制度で相続した場合、実際には、ローンの支払いが残っている状態で、このアパートの現在の価値がローン残高より、下回れば負の相続と考えられ、この場合、思うに「負の相続」となり、課税されることは、常識上あり得ないと思うのですが、最終的に精算されるにしても、総資産から、その負の金額が差し引かれると思うのですが?この場合建物のみの相続で考え、土地については相続しない前提で考えています。つまり、アパートローンを長男に引き継ぐ形になるのですが、税法的にはどのように処理されるのかご教示頂くお願い致します。

税理士の回答

相続時精算課税制度は、行為としては贈与です。相続ではありません。

贈与で、アパートのローンを引き受けることを条件にアパートを贈与したとすれば、負担付き贈与が基本的な考えです。ですが、アパートの価値よりローン残高が上回るのであれば、それにより利益を受けているのは、アパートを渡した側(現在の所有者)であり、アパートを譲り受けた側ではありません。
もらった財産より引き受けた債務の法が大きいので、贈与とされるのは、アパートを譲り受けた者から、アパートを譲り渡した側です。
ご相談の事例では、長男から親への贈与で、相続時精算課税の問題ではありません。

相続は、人の死亡で開始され、他の相続人との話し合いが基本ですが、誰も引き受けない債務がある状態で完了することはありません。
他の相続人がローンを引き受け、長男は建物だけ相続することはあるかもしれませんが、例えば、長男は財産だけ、二男は債務だけで払えないから自己破産で支払いを逃れるみたいな悪用はできません。

そうなのですね。支払いを逃れると考えられても仕方がないことなのですね。考えていたことは、いづれこのアパートは長男が相続を受けることになるのですが、ローンの支払い途中で亡くなった場合、この未返済のローンはどうなるのか、心配で、つまり、長男が負債を抱えることになるのではと思い相談した次第です。ローンを長男名義で借り換えできるのであれば、将来、慌てることもないだろうと思いました。銀行へローンの借り換えの際、年齢の高い私よりは、年齢の若い長男のほうが、銀行も安心ができ、借り換えすることができるのでは?と思い相談をしました。相続時精算課税制度では対応できない事と理解しましたが、と、なるとアパートについて、所有者を長男に変更する(贈与する)と考えて、生前贈与に該当し、贈与税を支払う?負の物件を贈与する?何かこんがらかってきましたが、債務を長男に受け渡したということで、例えば2400万円の債務でしたら、2400万円を長男から私が貰い受けたこととなり、税務署にそれに掛かる税金を私が支払うということでしょうか?よろしく教えて頂ければお願い致します。

「ローンの支払い途中で亡くなり、長男が負債を抱える」のと、「今、ローンを長男名義にする」のと実質的に差があるのか、何を心配しておられるのか私には分かりません。
どちらも、長男がローンを支払う点では同じです。

相続で承継させるのなら、その時、相続放棄や限定承認の判断ができるので、むしろ有利に思えます。

アパートの所有権を長男に名義変更するのと、ローンを長男に変えるのを別々にやれば、親から子への贈与と、子から親への贈与として二重に贈与税がかかりますが、普通はローンの名義を変えることを条件にアパートの名義も変えるという、負担付き贈与で行うのが普通です。


貴重な助言有難うございます。二重に贈与税がかかるとは驚きです。この「普通はローンの名義を変えることを条件にアパートの名義を変えるという、負担付贈与」というものがわかりません。非常に恐縮なのですが、その意味分かりやすくご教示頂ければ助かります。どうぞよろしくお願い致します。

通常の贈与は、「あげます、もらいます」で成立するものです。
もらう側には一切の負担はありません。

これに対し、負担付贈与は、コレを負担してくれればあげます。という行為です。その負担が、今回はローンを引き受けるという条件です。
この条件を受け入れなければ、贈与は実行されません。

長谷川先生どうもすみません。この「負担付贈与」を自分なりにしらべていくと、簡単に説明できるものではないことがわかりました。この贈与税の計算式を見つけ出したのですが、
(贈与された財産の額-債務額-110万円)×税率(仮に30%)-控除額(仮に90万円)=贈与税の額、とありました。私のアパートに当てはめますと(約600万円-900万円-110万円)×30%-90万円=-213万円となるのですが、税金がマイナスになるというのはどういう意味なのかわかりません。これはどうなっているのでしょうか?すみません、これが最後のご教示ということで、お願いします。

(贈与された財産の額-債務額)がマイナスならば、利益を受けているのは贈与した側です。高額な負担で贈与したということです。
贈与者が利益を受けていますので、贈与税がかかるのは贈与者です。

なお、贈与された財産が物の場合、評価は路線価や固定資産税評価額などによる評価ではなく、時価(第三者間で通常成立すると思われる価額)で評価して計算してください。

長谷川先生、ありがとうごさいます。やっと意味がわりました。長々と失礼だとは思いましたが、私にとっては大きな問題であったので、助かりました。以後、先生の仰るとおり良く考えて対処したいと思います。本当に感謝です、ありがとうございました。

本投稿は、2020年11月03日 21時47分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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