相続の計算方法
父会社役員が亡くなり、不動産動産合わせ基礎控除を4千万超えます。相続人母90歳と子ども男3人。遺言書なし。
質問1
この場合、基礎控除の5400万の1/2の2700万が母で、あとの2700万を(900万×子ども3人)残りの3600万を配偶者控除にすることは可能ですか。
質問2
また、軽自動車があり15年前に購入。数万程度の値段がつかないのですが、三男が欲しいという場合900万から数万引いたらいいのか。
質問3
山もちであちこちに山林がありますが、評価は700万円。母高齢のため一旦、配偶者控除にし、その後、父親名義から長男に登記変更が可能か。この時の登記変更費用は、相続と贈与では違うのでしょうか。
質問4
次男の宅地が父親名義なので、一旦配偶者控除にし、その後、次男が贈与可能か。質問3も含め、どこかで不動産、親から子どもに2000万までなら非課税と書いてたような気がします。
質問5
次男の嫁が、高齢の母親に変わりに、父親の世話などをしてくれたので、少しでも、お礼をしたいのですが、何かいい方法がございますか。限度額はいくらまでお礼は可能なのでしょうか
宜しくご教授お願いします。
税理士の回答

質問1
この場合、基礎控除の5400万の1/2の2700万が母で、あとの2700万を(900万×子ども3人)残りの3600万を配偶者控除にすることは可能ですか。
→配偶者の税額軽減は、配偶者であるお母様しか使えません。
相続税の計算の仕方は、まず、遺産総額から基礎控除額を控除し課税遺産総額を計算します。
次にその課税遺産総額から法定相続分に応じた取得金額を計算し、その金額を相続税の速算表に当てはめて相続税の総額を求めます。
相続税の総額を各相続人が実際に取得する財産の割合に応じて負担します。
この後、配偶者の税額軽減の適用があります。
例えば、遺産総額1億円として、お母様がすべて相続した場合
①課税遺産総額 1億円-5,400万円=4,600万円
②法定相続分に応じた取得金額(千円未満切捨)
母:4,600万円×1/2=23,000,000円
子:4,600万円×1/6=7,666,000円
③相続税の総額
母:23,000,000円×15%-500,000円=2,950,000円
子:7,666,000円×10%×3人=2,299,800円
2,950,000円+2,299,800円=5,249,800円
④算出相続税額
母:5,249,800円×100%(遺産の取得割合)=5,249,800円
子:5,249,800円×0%=0円
⑤納付税額
母:5,249,800円-5,249,800円(配偶者の税額軽減)=0円
子:0円
国税庁HP: 相続税の計算
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm
国税庁HP:相続税の税率
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm
国税庁HP: 配偶者の税額の軽減
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4158.htm
文字数制限がありますので、回答を分けます。

質問2
また、軽自動車があり15年前に購入。数万程度の値段がつかないのですが、三男が欲しいという場合900万から数万引いたらいいのか。
→軽自動車は精通者意見価格(平たく言うと査定額)で財産計上します。
基礎控除額を差し引くというような計算はしません。(上記回答参照)
質問3
山もちであちこちに山林がありますが、評価は700万円。母高齢のため一旦、配偶者控除にし、その後、父親名義から長男に登記変更が可能か。この時の登記変更費用は、相続と贈与では違うのでしょうか。
→いったんお母様が相続し配偶者の税額軽減を使いたいとお考えかと思います。
仮にお母様が相続する場合、お父様からご長男に相続登記することはできません。
相続するお母様へ相続登記をします。
また、お母様へ相続する場合、相続税のご負担は配偶者の税額軽減により下がるわけですが、ご長男に贈与するときは、贈与税が700万円に対し88万円課されます。税率にすると20%です。
登録免許税については、相続では0.4%、贈与では2%課されます。
不動産取得税に至っては、相続では非課税ですが、贈与の場合は3%課されます。
本来なら、お母様の財産状況も踏まえて二次相続のシミュレーションをすべきところですが、所感としては今回の相続でご長男が取得していただく方が有利になるのではと思います。
質問4
次男の宅地が父親名義なので、一旦配偶者控除にし、その後、次男が贈与可能か。質問3も含め、どこかで不動産、親から子どもに2000万までなら非課税と書いてたような気がします。
→一旦お母様が相続し、ご次男に贈与することはできます。
ただ、質問3の回答同様になりますが、トータルでみると税負担が増えるかもしれません。
相続時精算課税制度を利用した場合、2,500万円まで贈与時は無税で財産を移転できますが、こちらの制度により贈与された財産は、相続時に相続財産に足し戻しされて相続税課税されます。あまりお勧めはできません。
質問5
次男の嫁が、高齢の母親に変わりに、父親の世話などをしてくれたので、少しでも、お礼をしたいのですが、何かいい方法がございますか。限度額はいくらまでお礼は可能なのでしょうか
宜しくご教授お願いします。
→特別寄与料の請求が考えられます。
なお、こちらの特別寄与料については、請求ができる要件もありますし、税理士の専門外ですので、弁護士にご相談ください。
特別寄与料でなくとも、普通に金銭贈与をするのも良いかと思います。
本投稿は、2021年07月05日 19時05分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。