税理士や会計士には、経費を計上する際に書類を確認する義務はあるのでしょうか?
例えば、会社で車を購入した場合、その車が法人名義かどうか、車両の金額は適正かといった売買契約書の確認や、利益相反取引、法人名義での生命保険加入、役員報酬の変更に関する株主総会議事録の確認などは行われるのでしょうか?
過去の経費を確認していたところ、個人名義の車両が減価償却されていたり、総会の承認がない利益相反取引や生命保険が見つかったため、担当の税理士に疑問を感じています。
税理士や会計士には、経費を計上する際に書類を確認する規定や法律などは存在しないのでしょうか?
税理士の回答

税理士法や公認会計士法には、経費計上時の書類確認を直接義務付ける規定はありません。しかし、税理士法第1条や公認会計士法第1条に定められた「納税義務の適正な実現」や「監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保すること」という目的を達成するために、関連書類の確認は必要不可欠と考えられます。
税理士や公認会計士は、その専門性に基づいて「善管注意義務」を負っています。これは、その職務を遂行する上で、通常期待される注意と配慮を尽くす義務を指します。この観点から、経費計上の根拠となる書類の確認は、専門家としての当然の責務と言えます。
日本税理士会連合会の「税理士職業規範」や日本公認会計士協会の「倫理規則」には、誠実性や職業的専門家としての正当な注意といった原則が定められています。これらの原則に従えば、適切な書類確認なしに経費計上を行うことは、職業倫理に反する可能性があります。
質問にあるような、法人名義の確認、取引の適正価格、利益相反取引の承認、生命保険加入の妥当性、役員報酬変更の手続きなどは、税務・会計の観点から重要な確認事項です。これらを適切に確認せずに経費計上を行うことは、専門家としての責任を果たしていないと判断される可能性があります。
本投稿は、2024年09月05日 03時03分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。