学校法人 税務調査 について
学校会計を勉強していて学校事務でよくわからないのでお聞きしたいのですが、
学校法人の税務調査についてで、前にこちらで質問させていただいた際に、項目としては源泉所得税の税務調査が多いとのことでした。
数の多い従業員の細かな領収書(支出)よりも。主に役員や理事の領収書(支出)について確認をされることが多いのでしょうか?というのは、税務調査の期間がかかってしまい、普段の業務に影響が出ない範囲でしょうか?
税理士の回答

米森まつ美
回答します
源泉所得税の調査に関して私の経験則から簡単にお話いたします。
法人の概況を確認し、取引の大きな流れを確認します。
調査対象は給与に関してもですが、報酬・料金等にも行います。また、報酬料金(外注)が給与所得に該当するか検討する場合もあります。
ご質問の内容
① 「数の多い従業員・・」について
源泉所得税は「支払い」に対して、課税権が発生しますので、法人での様々な支払に源泉徴収の誤りがないか確認いたします。
それには、従業員・役員の区別はありません。
福利厚生費・交際費・旅費交通費・年末調整の誤り等 様々な点が調査項目となります。
② 「普段の業務に影響が出ないか」について
税務調査の指摘内容にもよりますが「まったく影響が出ない」ということはありません。
取引の内容確認、会社の概要確認等、たびたび質問がありますので、その時は事務の手を止めざるを得ないなど煩わしい面もあると思います。
ただし、調査官もスムーズの調査を進めたい気持ちがありますので、適宜対応していただければ、調査も長引かないと考えられます。
また、どうしても事務に支障がでるときなどは、その旨をお伝えすることは大事だと思います。
なるほど。調査項目としてはどのような項目が挙げられますか?
備品の確認などは行われるのですか?
となると、数が多すぎて通常業務に支障をきたすことがあると困るので聞かせていただきます。

米森まつ美
回答いたします
備品の確認は、無いとは言えませんがあまり聞きません。
ただし、社員に貸し出ししたのものが本当に貸し出しであったのかなど、現物確認をすることもあるかと思います。
また、家具備品の購入したものや車両運搬具などの使用実態なども確認します。
調査項目は多岐にわたります。また、その法人ごとの特色によっても異なりますので、一概には言えません。
今年はコロナの影響で開催が少なくなっていますが「決算法人説明会」などで配付される資料には、チェックするこうもくなどがあります。
交際費(渡切の場合は賞与課税しているか)、福利厚生費、永年勤続表彰や創業記念品の内容、また、年中に賞与などで課税していても年末調整時に漏れているケースもあります。
海外取引や非居住者への支払いの有無の内容確認などもあります。一般の法人の場合は、配当課税についても確認します。
PTA の経費などは調査の対象になりますか?
補足でPTAの備品購入とかについての経費で帳簿や領収書という事です。

米森まつ美
絶対にないとは言えません。
学校法人の調査なので、本来PTAは別組織になるため調査の対象にはなりにくいですが、関連性が生じた時には確認をする可能性はあります。
どこまでを調査対象にするのかについては、一概に説明することは出来かねます。
学校法人会計においてもなるほど、部活動やPTAといった会計は絶対にないとは言えないけど税務調査の帳簿や領収書調査の対象となる可能性としては低いということですね。

米森まつ美
ご理解のとおりでよろしいかと思います。
実際の税務調査時には不安が尽きないと思いますが、適切な応対をすれば必要以上のご心配はいらないと思います。
学校法人の調査なので、本来PTAは別組織になるため調査の対象にはなりにくいです
なるほど!ちなみに、理屈としてはPTAや生徒会は学校法人と別だからということでよろしいでしょうか?

米森まつ美
ご理解のとおりです。
別組織とは、そのような意味となります。

米森まつ美
蛇足ですが
学校法人が支出して、PTAの備品を購入した場合などは、「学校法人」の調査の範疇となります。
しかし、PTAや生徒会が自分たちで資金を調達して自己の運営にかかる支出をしたようなものは、学校法人とは別組織なので特に調査の範疇には含まれません。
わたしから回答できるのはここまでだと思います。申し訳けございません。
なるほど。別組織ですが、例えば、領収書の宛名で学校法人のものと、PTAや生徒会のものは変え(分け)なくても良いのですか?
わかりました!まとめると、、、
>学校法人が支出して、PTAの備品を購入した場合などは、「学校法人」の調査の範疇となります
とありますが、税務調査が入った場合、部活動やPTAといったジャンルの会計は絶対にないとは言えないけど税務調査の帳簿や領収書調査の対象となる可能性としては低いということですね。
米森先生、いろいろご丁寧にありがとうございました!
こういうことで良いでしょうか?
いろいろ細かく聞いてしまって申し訳ございません。

米森まつ美
ご理解のとおりでよろしいかと存じます。
調査の際には、顧問税理士さんのアドバイスを受け調査の立ち合いも求めた方がよろしいかと思います。
顧問税理士さんであれば貴校の状況も把握されているでしょうし、安心だと思います。
本投稿は、2020年09月08日 15時08分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。