法人税(消費税)と源泉所得税の重加算税の二重賦課について
先日の調査で税務当局から法人税(消費税)、源泉所得税にすべて重加算税を賦課されました。
一般的に二重賦課については『源泉所得税及び復興特別所得税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)』の通り、ないものと思っていましたが、ありうるんでしょうか。
ちなみに当初申告が無所得(欠損金繰越中)、調査後修正申告が有所得です。
先方の主張としては「有所得になるまでの源泉所得税の重加算税については法人税と二重にならない」とのことだったのですがいまいち理解できません。
もし、先方の主張が正しいのであれば、ご解説または具体的な事例を紹介していただけますか。
よろしくおねがいします。
税理士の回答

米森まつ美
回答します
法人税の申告や調査の内容が不明なので、概略の説明になることをお許しください。
ご理解のとおり、「認定賞与等」により、重加算税の対象となる法人税と源泉所得税の追徴がある場合は、法人税にのみ重加算税が賦課されます。
しかし、例えば法人税の申告が欠損で所得金額が発生せず、源泉所得税のみの追徴税額が発生する場合は、源泉所得税に対して重加算税は賦課されます。
このことを、税務署が説明されたのではないでしょうか。
ご指摘の「事務運営指針」の「1」 の 「4」の「法人税について儒加算税が課せられる場合において、認定賞与等の金額が、法人税の重加算税の基礎とされている場合は・・・・源泉所得税等の重加算税の対象として取り扱わない」との規定により、まずは双方に「重加算税」は賦課されないことになっています。
しかし、上記「事務運営指針」の「・・・・」の部分には次の文言が記載されています。
「認定賞与等の額が、当該重加算税の計算の基礎とされている場合において、当該基礎とされている認定賞与等の金額が、当該重加算税の基礎とされている金額に『達するまでの金額』」
この『達するまでの金額』が税務署の主張と思われ、また、先に説明した事例となります。
ただし、法人税額が発生し、法人税の「重加算税」を計算したが算出がされなかったとの理由で、源泉所得税で重加算税を算出(賦課)することは間違いになります。

米森まつ美
具体的な例でした。 申し訳ございません。
例えば、当初申告
第1期 法人欠損金 500万円
第2期 法人所得金額 0円 (青色欠損控除 400万円)
調査等による認定賞与等と法人修正額
第1期 認定賞与 400万円 法人修正欠損金 100万円
第2期 認定賞与 なし 法人修正所得金額 300万円(青色欠損控除100万円)
この場合、法人税の課税対象となる所得は300万円となります。
そこで、認定賞与400万円のうち「法人税の重加算税の基礎とされる金額に達するまで」の金額300万円は、源泉所得税の重加算税の対象として取り扱わないことになり、残り100万円は源泉所得税の重加算税の対象となります。
迅速かつ、わかりやすい解説ありがとうございました。
具体的な数字を出して追加説明までしていただいて感謝いたします。

米森まつ美
ベストアンサーをありがとうございます。
少しでもお役に立てましたら幸甚です。
本投稿は、2021年03月11日 01時38分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。