税務調査連絡後の修正申告では重加算税は回避できますか?また修正申告は悪印象でしょうか?
白色確定申告で自営業(サービス業)を行っています。少しずつ売り上げが伸びていて、去年度は総売り上げが1200万、所得が500万~600万前後です。一昨年はそれぞれその2割減程です。
お恥ずかしい話、配偶者の扶養に入れてもらいたく、今まで経費以外は適当に申告を書いていて、所得を130万以内に抑えてしまっていました。ですが罪悪感を感じると共に、明日にでも「調査に行きます」と連絡があり、かなりの額のペナルティを受けるのではないかと最近不安になってきました。
もし税務調査連絡があった場合、そこから税務調査着手までに税理士さんの指導の下、修正申告を出せば、重加算税は回避出来ますでしょうか?
税理士の回答

中島吉央
そもそも、修正申告書が提出された場合に、その提出が、その申告に係る国税の調査があったことにより、その国税について更正があるべきことを予知してされたものでないとき、すなわち、納税者の自発的意思によってされた修正申告書の提出であるときは、調査通知以後に更正を予知しないでした修正申告の場合を除き、その納付すべき税額に過少申告加算税(加重分を含む。)は課されません(通則法65⑤)。
過少申告加算税については、納税者に隠蔽又は仮装の事実があっても、調査による更正を予知しないで自発的に修正申告書の提出をした場合には、過少申告加算税が課されない、又は軽減されるが、この場合には重加算税も課されません(通則法68①括弧書)。
悩んでいるなら、即、提出すべきかと思われます。
中島先生。ご回答有難うございます。
ただ、私の理解力不足で私とって先生のご説明が理解しきれていません。申し訳ありません。
つまり、税務調査連絡があってからの修正申告なら、私のような申告の場合でも重加算税を含む過少申告加算税は付されないということで合っていますでしょうか?
罪悪感に苛まれながら仕事をするのは精神的にも良くないので、もちろん、今後は税理士先生を付けて、正確な申告を行おうと思っています。

中島吉央
臨場のための日時の連絡を行った段階で修正申告書が提出された場合には、「原則として」、「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当しません。
ただし、過去の事例において、調査官が、机上調査により所得の申告漏れを把握した後に、顧問税理士に電話で日程調整の依頼を行い、電話応答を契機として顧問税理士は確定申告につき見直しを行い、所得の申告漏れに気付いて修正申告をしたという事実関係があり、さらに、その所得が把握されることについての顧問税理士の認識が認められることからすれば、修正申告書の提出は、「調査があったことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたもの」に該当するとされたものがあります。
つまり、「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当するか否かはケースバイケースです。安易に、調査連絡後に対応すればよいというものではありません。相談者様が罪悪感を感じているならば、調査連絡前に修正申告すべきかと思われます。
国税通則法65条5項(以下「本件条項」という。)に規定する「調査」とは、課税標準等又は税額等を認定するに至る一連の判断過程の一切を意味し、課税庁の証拠資料の収集、証拠の評価あるいは経験則を通じての課税要件事実の認定、租税法その他の法令の解釈適用を含む税務調査全般を指すものと解され、いわゆる机上調査のような租税官庁内部における調査をも含むものと解されます。本件条項の文言及び趣旨からすると、修正申告書の提出が、その申告に係る国税について更正があるべきことを予知してされたものでないことの判断に当たっては、調査の内容・進捗状況、それに関する納税者の認識、修正申告に至る経緯、修正申告と調査の内容との関連性等の事情を総合考慮して判断すべきということになります。
本投稿は、2021年05月13日 14時25分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。