年末調整(海外出張中の社員について)
お世話になっております。
標題の件、年末調整業務をしておるのですが、
弊社では以下状況の社員がおります。
年末調整はどのように行えばよろしいのでしょうか。
何卒ご指導賜りますようお願い申し上げます。
➀1月~9月までは弊社に在籍しておりました。
現在も在籍しているのですが、
10月~12月の3か月間、弊社に籍はおいたまま、自己都合で休職をして、海外へ行っています。
休職扱い中に12/31時点、海外へ行っている社員の年末調整は、
どのように行えばよろしいのでしょうか。
➁1月~9月までは弊社に在籍しておりました。
現在も在籍しているのですが、
10月~12月の3か月間、弊社に籍は置いたまま、会社命令で海外出張中です。
その場合、年末調整は、
どのように行えばよろしいのでしょうか。
知識不足で申し訳ないのですが、何卒宜しくお願い申し上げます。
税理士の回答
土師弘之
海外に1年以上居住する目的で出国した場合には、出国時点から日本では「非居住者」となります。
「非居住者」に対しては「国内源泉所得」のみ課税対象となります。
したがって、①②のケースとも「非居住者」かどうかをまず判定する必要があります。
そして、「非居住者」に該当する場合には、①②のケースとも出国時までに9月分給料までで年末調整するか、社員自らが確定申告するかどちらかを選択する必要があります。いずれもしていないのであれば、納税管理人を届け出でて来年の確定申告時に確定申告を代わりにしてもらう必要があります。
一方、「非居住者」に該当しない、つまり「居住者」に該当する場合には、①のケースでは10~12月の収入が明らかにないと判明した場合は1月~9月までの給料で年末調整を行います。そうでない場合は、社員自身に来年に入ってから確定申告させる必要があります。
②のケースは、12月分までの給料を含めて年末調整を行います。
土師先生
お世話になっております。
ご返信ありがとうございます。
①、②、ともに、ちょうど1年間海外に行っています。
ちょうど1年ですと「1年以上」に該当するかと思いますので、非居住者ということですよね。
9月給与計算時に年末調整は実施していません。
該当社員は、自分自身、もしくは納税管理人による確定申告が必要になるかと思うのですが、弊社としては、2025年の年末調整計算を12月に実施し、源泉を本人に渡せばよろしいでしょうか。
それとも、2025年の年末調整は実施せず、源泉の備考欄に「年末調整未済」と記載し、本人に渡すのが正しい処理となりますでしょうか。
何卒ご指導の程宜しくお願い申し上げます。
土師弘之
年末調整は出国までに行う必要がありますので、出国後の12月では年末調整はできません。
よって、社員自身の確定申告で精算する必要がありますので、年末調整を行わず源泉徴収票を(9月分までの内容で)発行することになります。
土師先生
ご返信ありがとうございます。
知識不足で申し訳ありません。
年末調整は9月中に実施しなければならなかったのですね。
そうしますと、弊社の場合、残業代の支給が翌月支給となっており、9月中に勤務した残業代が10月に支給されます。
そのため、いずれにしても年末調整はできなかったということですよね。
すみません、その場合、2025年1月から10月支給給与(勤務実績としては、9月分までとなります)までの金額を源泉徴収票に記載し、備考欄に「年末調整未済」と記載すればよろしいでしょうか。
何卒ご指導の程宜しくお願い致します。
土師弘之
残業代の支給日が出国後となる場合、「非居住者」に対する「国内源泉所得」の支給となりますので、源泉徴収票には含めません。
なお、源泉徴収票には「年末調整未済」とするかどうかは任意です。必須ではありません。
「所得控除の額の合計額」欄(場合によっては「給与所得控除後の金額」欄も)が「空欄」とすることにより、年末調整が未済であることがわかります。
また、残業代は「非居住者等に支払われる給与、報酬、年金及び賞金の支払調書 」を発行することになります。あわせて、非居住者に対する源泉徴収(税率20.42%)する必要があります。
本投稿は、2025年11月10日 15時39分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。




