役員の分掌変更等の場合の退職給与について
事業年度を跨いで分割支給する場合、支払った日の属する事業年度に分割支給額を損金経理せずに、株主総会の決議で支給総額が確定した日の事業年度で一括損金計上した場合、退職給与として損金は認められすか?法人税法基本通達9-2-32の(注)の「退職給与として支給した給与」には、原則として未払金等に計上した場合の額は含まれないとありますが、どう解釈すればよいでしょうか?
税理士の回答

増井誠剛
結論から言うと、一括損金計上は認められない可能性が高いですね。
法人税法基本通達9-2-32の(注)にある「退職給与として支給した給与」とは、実際に支払われた金額を指し、未払計上しただけの金額は含まれないと解釈されます。つまり、退職給与の損金算入時期は「支払った日の属する事業年度」が原則となるため、事業年度をまたいで分割支給する場合、各支給時点で損金経理しなければなりません。
一方で、株主総会の決議で支給総額を確定させたとしても、それを未払計上し、後の事業年度で一括損金計上するのは税務上認められません。あくまで支給した事業年度ごとに損金処理する必要があります。
もし一括計上を希望するなら、事業年度を跨がずに全額を当該事業年度内に支給するか、税務上の合理的な理由を持って処理方法を検討する必要があります。計上タイミングを誤ると税務調査で指摘される可能性があるため、慎重に対応すべきです。
丁寧なご説明ありがとうございます。事業年度を跨ぐ場合は支払った日の事業年度で損金経理する方向で考えます。
本投稿は、2025年01月29日 16時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。