棚卸資産の評価方法について
扱っている商品の価格帯が数千円から数十万円と幅があります。
年間の仕入れ個数自体は1500点前後から2000点くらいです。
このような場合、総平均法ですることは問題ないでしょうか。
色々調べていたところ、金額に差がありすぎるとダメみたいなのを見たのですが、どうなんでしょうか。
回答のほどよろしくお願いいたします。
税理士の回答
山口勝己
適切に商品のグループ(品目や区分)を分ければ、総平均法を採用することに問題はないはずです。「金額に差がありすぎるとダメ」と言われるのは、「価格や性質が全く違う商品を、すべて1つのグループに丸ごとまとめて平均単価を計算してはダメ」という意味でしょう。
なぜ一括で平均するとダメなのか?数千円の商品と数十万円の商品を同じグループとして一括で総平均してしまうと、期末の在庫評価額や利益の計算が実態とかけ離れてしまうからですね。例えば、数千円の安い商品ばかりが大量に売れて、数十万円の高い商品が売れ残ったとします。これらを一括で平均すると、売れ残った高額商品の評価額が「平均マジック」で実際より安く計算されてしまいます。結果として、売上原価が不当に高く(または低く)なり、会社の利益や税金が正しく計算できなくなるため、税務調査で指摘を受ける原因になります。年間の仕入れが1,500〜2,000点という規模感であれば、以下のいずれかの方法で実務を行うのが一般的です。
1. 商品の価格帯や種類でグループ(区分)を分ける
税法上、棚卸資産の評価は「種類、品質、型」などの合理的な区分ごとに計算することが認められています。「高額商品グループ(〇万円以上、または特定の高級ブランド)」「一般商品グループ(数千円〜数万円未満)」このように帳簿上の区分を明確に分け、それぞれのグループ内で総平均法を計算するのであれば全く問題ありません。
2. 「個別法」と「総平均法」を併用する(おすすめ)
数十万円の高額商品は、年間の仕入れ個数の中でも一部(数十点など)であることが多いはずです。
数十万円の商品: 「個別法」(その商品が実際にいくらで仕入れられたかを1点ずつ管理する)を適用
数千円の商品: 量が多く個別管理が大変なため、「総平均法」や「最終仕入原価法」を適用
このように、高額品と一般品で評価方法を出し分けるのが、最も税務リスクが低く実態に即した管理方法です。
注意点:評価方法の届出について
棚卸資産の評価方法(総平均法など)は、税務署に事前の届出が必要です。もし現在、何も届け出をしていない(法定評価方法のまま)のであれば、自動的に「最終仕入原価法」が適用されています。これからグループ分けをして総平均法などを採用したい場合は、確定申告の期限までに税務署へ「棚卸資産の評価方法の届出(または変更届出)」を提出してください。
具体的なグループ(区分)の分け方については、事前に顧問税理士や税務署へ一度相談されることを強くおすすめします。
山口勝己先生回答ありがとうございます。
扱っている商品が同一区分ではなく、数種類とばらつきがあります。
私が見たところでは、価格帯のグループ分けはダメという感じでしたが、問題ないのでしょうか。
金額で分けれたら一番いいのですが..
もし区分ごとでグループ分けする場合、グループの数はいくつくらいまでとか決まりはあるのでしょうか。
今年から総平均法にするために届け出を出してしまったので、個別法との併用はできないですよね。
3年間は変更ができないという認識です。
変更後になりますが、自分のような価格帯や個数だと、何の評価方法が適しているのでしょうか。
お手数をおかけしますが、改めて回答をいただけますと幸いです。
山口勝己
評価方法のグルーピングについては、具体的な取り決めは無さそうですが、以下の様なルールはあります。
「棚卸資産の評価は、原則として種類、品質及び型(種類等という)の異なるごとに行う」
金額については言及していませんが、「種類、品質及び型」が違えば金額が違うのは当たり前ですよね。
「種類、品質及び型」が違うのであれば、何種類あっても良いと思います。
届出は、種類、品質及び型ごとに行うので、「すべての」棚卸資産についてと書かない限り、届出書に記載した棚卸資産が選ばれた評価方法の対象であると思います。
何の評価が適しているかは何ともいえませんが、一般的には以下のとおりです。
年間1,500〜2,000点という規模感と価格帯を考慮すると、商品の性質によって以下の2つの評価方法が適しているのかと思います。
1. 個別法(最もおすすめ)
高額商品(数十万円)が中古品、ヴィンテージ品、美術品、ブランド品など「1点もの」の場合に最適な方法です。
特徴: 仕入れた商品1点ずつの実際の仕入価格を、そのまま在庫の評価額とします。
メリット: 利益や在庫の価値が最も正確に把握できます。
管理の目安: 年間1,500〜2,000点(月100〜160点ほど)であれば、Excelや在庫管理システムを使えば個別法でも十分に管理可能な在庫量です。
2. 総平均法(現在の方法)
数十万円の商品であっても、同じ型番・仕様の新品を何度もリピート仕入れする場合に適しています。
特徴: 1年間(または1ヶ月)の「総仕入金額 ÷ 総仕入数量」で平均単価を出し、期末在庫を評価します。
メリット: 期末にまとめて計算できるため、日々の帳簿付けが楽になります。
注意点: 期中にリアルタイムで正確な粗利益を把握しにくくなります。
3. 最終仕入原価法(届出をしていない場合)
もし税務署に届出をしていない場合、法律上は自動的にこの方法になります。
特徴: 期末に「一番最後に仕入れた時の単価」をその商品の在庫単価とみなします。
メリット: 最も計算が簡単です。
注意点: 期末直前に仕入価格が急騰・急落した場合、在庫全体の評価額が実態と大きくズレるリスクがあります。
選び方の判断基準
商品が1点もの(シリアル番号や個体ごとに状態が違うもの) → 個別法へ変更を検討
商品が型番商品(同じ新品を複数仕入れるもの) → 現在の総平均法のままでOK
という感じでしょうか。あくまでも一般的な参考としてお考えください。
商品の価格がUPダウンをしないのであれば、最終仕入原価法が簡単なのですがね。。
総平均法にするために届け出を出されたとき、どのような記載をされたのかはわかりませんが、一度所轄の税務署に相談されても良いかもしれませんよ。
このような場合、総平均法ですることは問題ないでしょうか。
色々調べていたところ、金額に差がありすぎるとダメみたいなのを見たのですが、どうなんでしょうか。
同じ商品をそうしてください。
何も問題はない。
山口勝己先生早速の回答ありがとうございます。
個別法が一番いいのですね。
扱っている物自体が金額にばらつきがあり、全て一点もののような感じなのですが、このような場合、どのように処理するのが適切でしょうか。
度々申し訳ございません。
竹中公剛先生回答ありがとうございます。
同じ商品ではなく、ほとんどが一点もののような感じなのですが、この場合も合計から割り出しても問題ないのでしょうか。
お手数をおかけしますが、改めて回答をいただけますと幸いです。
山口勝己
一点ものの商品を多数取り扱っている場合には、やはり個別に評価していくのがベストだと思いますよ。その場合、いつ仕入れていつ売れた(売れ残った)を管理しなければなりませんよね。POSで管理できそうですが。。。
同じ商品ではなく、ほとんどが一点もののような感じなのですが、この場合も合計から割り出しても問題ないのでしょうか。
一点一点で計算します。
すべて違うのなら、個別原価・・・最終仕入れ原価法ですね。
山口勝己先生早速の回答ありがとうございます。
POSというのをよくわかっておらず調べましたが、こちらは小売とかレジがあるようなお店向けでしょうか。
自分の場合、ほとんどが委託による販売で本当にほんの少しネットによる販売がある程度です。
このような場合、POSを使用しても連携したりはできないですよね。
竹中公剛先生早速の回答ありがとうございます。
評価方法の変更届は出してしまったので、3年間は訂正が効きませんが、このような場合どう対処すればよいでしょうか..
仮に最終仕入原価法だと最後に仕入れたものが数十万とかすると、かなり実態と乖離が出ることになりますが、それは問題ないのでしょうか。
山口勝己
金額の違う商品がたくさんあって、それらを個別に在庫管理したい場合には、POSのようなシステムを使うのだと思いますが、システム的なことは専門外でして。。
アナログ的にやるなら、商品管理台帳をつくって、個別管理するという事だと思います。
山口勝己先生お返事いただきありがとうございます。
お返事が遅くなってしまい大変申し訳ございません。
関係のない質問をしてしまい大変失礼いたしました。
話が戻りますが、総平均法で届け出を出してしまったので総平均法でしなければならないのですが、基本全て一点もの(中には同じ商品や色違いはある)なので、全てグループ分けして個別法みたく棚卸資産を出すのは、よくないでしょうか。
ネットの情報ですが、本来は全く同じものを区分分けするようなので、それであれば1500点を1500グループに分ければ、実質個別法になるのではと思いました。
先生の見解を教えていただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
山口勝己
総平均法として届け出ているにもかかわらず、1500点を1500グループに細分化して実質的に個別法と同じ計算を行うことは、税務調査で否認される(認められない)リスクが極めて高いため、おすすめできません。
一見ロジカルな裏技のように思えますが、税務上は「届出方法と異なる事実上の個別法」とみなされ、意図的な利益調整(租税回避行為)を疑われる原因になるのかなぁと感じました。
もし今後も一点ものがメインで、どうしても1点ずつ厳密に管理(個別法)したい場合は、税務署に評価方法の変更を申請しましょう。
もっとも、提出期限は、確定申告書の提出期限までなので、提出されたのが最近ならば「記載内容を間違えたので、届出書を取り下げて、新に提出しなおしたい」というえば、受け付けてくれそうですよ。
それがダメであった場合ですが、届出をしてから原則3年間は再変更ができませんが、「取扱商品がすべて一点ものであり、個別管理の方が実態を正確に表せる」という理由は、変更の「合理的な理由」として認められやすいのかなあとも思いました。
参考にしてください。
山口勝己先生お返事いただきありがとうございます。
現実的ではないですよね。
丁寧に教えていただきありがとうございます。
提出したのは、半年くらい前ですがうけていただけますかね。
受けていただけると一番助かるのですが。
山口勝己
申告期限前であれば、いけると思います(私が税務署員時代はOKしてました)。
山口勝己先生お返事いただきありがとうございます。
ご丁寧に教えていただきありがとうございます。
申告前に相談してみます。
お忙しい中にも関わらず、何度もお返事いただきありがとうございます。
とても助かりました。
山口勝己
参考になれば幸いです。よろしくお願いいたします。
本投稿は、2026年08月27日 07時09分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







