棚卸の評価方法(売価還元低価法)について
棚卸を最終仕入原価法から売価還元低価法に変更しようと検討しています。
売価還元低価法に変更するにあたって、
商品一つ一つに売価(定価)を設定し、その記録を残す必要があるのでしょうか(税務調査などの時のために必要でしょうか)?
扱っている商品の販売価格は1日の中でも変更する場合が多く、決まった売価がないオープン価格のような感じです。
扱う商品も多く、一つ一つに決まった売価が設定できない場合は、
売価還元低価法に変更はできないのでしょうか?
税理士の回答

売価還元法の適用にあたっては、「売価還元法により評価額を計算する場合には、その種類の著しく異なるものを除き、通常の差益の率がおおむね同じ棚卸資産は、これをその計算上の一区分とすることができるものとする」とされており、商品1つ1つの還元率を計算する必要はありません。
原価率の近い商品グループ毎に還元率を計算することができます。
また、低価法の適用についても商品グループ単位での評価が認められます。
よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。商品1つ1つの還元率を計算する必要はないということは理解できました。
しかし原価率を計算するにあたり、売価還元低価法の分母の計算に必要な"値上額"や"値上取消額"についても販売した商品1つ1つを正確に計算する必要はないのでしょうか?
例えばA商品(仕入れ値500円)の売価を1000円と決め、1年間で50個販売(1個目は1000円、2個目は900円、3個目は1100円...50個目は1200円)と、
実際の販売価格が統一されていない場合、それぞれ1つ1つの商品売価を管理して、値上げした分、50個中2個だけ100円と200円をそれぞれ値上げした場合、合計の値上げ額は300円となるということでしょうか?
商品は多品種あり販売価格はその都度決めているようなものもあり、管理がしきれませんが、
この"値上額"とは具体的にどういったものなのでしょうか?

値上額、値上取消額、値引額、値引取消額は売上高に反映されていると思いますので、
以下の算式で、商品グループ単位の売価還元率を計算していただければ結構です。
(期首商品原価+当期仕入高)÷(期首商品売価+当期売上高+期末商品売価)
よろしくお願いいたします。
ご丁寧にありがとうございます。
「売価還元率」とは原価率と同じ意味でよろしいでしょうか?
売価還元低価法の原価率の計算で分母に値上額などの項目はありますが、それは商品1つずつの値上げを計算するのではなく、あくまで1年の当期売上高に反映されているので、その計算式を使うことで、値上額、値上取消額を考えなくても(分母の計算に入れなくても)よいということで理解しました。
申し訳ありませんが、最後に1点だけ、期末商品売価について教えてください。
例えば、以下のように、期首商品原価、当期仕入高数や当期売上高は仕訳をしていけば当然わかるのですが、
(期首商品原価+当期仕入高)÷(期首商品売価+当期売上高+期末商品売価)
の計算式中の"期末商品売価"の求め方だけがわかりせん。
期首商品原価500万
当期仕入高1500万
期首商品売価1000万(原価の2倍を売価とするため)
当期売上高3500万
期末商品売価(?)
※期首商品売価は、期首商品棚卸高(期首商品原価)は前年度の棚卸したものからわかるので、それが500万とすると単純に原価の2倍で売るとした場合は、1000万となると思います。
”期末商品売価”は具体的にどのように決めるのでしょうか?
ひとつつず商品の在庫を確認する棚卸をしないため、期末商品棚卸高がわからず、期末商品売価もわからないと思うのですが...

売価還元率は原価率と同じ意味です。
期末商品売価は期末商品棚卸高の売価ベースの金額ですので、
期末在庫の販売予定額となります。
よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
何度も申し訳ありません、こちらの質問の仕方が悪かったのですが、期末売価を決めるための"期末商品棚卸高"は具体的にどのように求めるのでしょうか?
2021年から売価還元低価法に変更した場合、2020年度まで行っていた実地棚卸(1つ1つ商品の個数と原価を計算)は行わないので、2021年度の期末商品棚卸高はわからないと思います。
(2021年度の期首商品

売価還元法に変更しても実地棚卸は必要です。
2021年度の期末商品棚卸高は実地棚卸を行った結果、一旦売価ベースの期末商品棚卸高を計算し、その後売価還元法により原価を計算するという手順になります。
よろしくお願いいたします。
本投稿は、2020年12月31日 12時12分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。