中古マンションを賃貸に出した際の前年末償却残高および減価償却費について
初めて相談させていただきます。
引っ越しのため、住んでいた自己所有の中古マンションを賃貸に出したのですが、確定申告の準備をしようとして、前年末未償却残高と減価償却費でつまづいています。減価償却費に関しては自分なりに計算してみましたが合っていますでしょうか。また、前年末未償却残高がどのサイトを確認してもよくわからず、ご教示いただけないでしょうか。
【基本情報】
・マンション竣工年:2016年2月
・鉄筋コンクリート造
・売買契約年月:2017年12月
・取得価額:3700万
・賃貸にだした年月:2024年6月
【減価償却費】
・耐用年数=(新築時の耐用年数ー経過年数)+経過年数×0.2
=(47-9)+9×0.2=39.8→40年
・40年の定額法償却率=0.025
・減価償却費= 3700万×0.025=92.5万円
こちらで合っていますか?
【前年末未償却残高】
計算方法がわかりませんでした。
ご多忙のところ恐れ入りますが、どうぞご教示いただけますと幸いです。
税理士の回答

中古マンションを賃貸に出した際の減価償却費と前年末未償却残高の計算について整理してご説明します。
減価償却費について
計算方法を確認したところ、以下の点に注意が必要です。
1. 耐用年数の計算
2016年竣工で2024年6月に賃貸に出した場合、経過年数は8年(2024年 - 2016年)です。
耐用年数は以下の式を用います。
耐用年数= (47 - 8) + (8 × 0.2) = 39.6 ≈ 40年
耐用年数40年の定額法償却率は 0.025で正しいです。
2. 減価償却費の計算
取得価額が3700万円の場合、計算式は以下の通りです。
減価償却費 = 37,000,000 × 0.025 = 925,000
計算は正しいです。よって、減価償却費は 92.5万円になります。
-前年末未償却残高について
前年末未償却残高は以下の手順で計算できます。
1. 取得価額から土地部分を除外
建物の減価償却計算では建物の取得価額を使用します。土地部分の金額を取得価額から除外してください(契約書に記載されているはずです)。例えば、土地部分が1000万円とした場合、建物部分は以下のように計算します。
建物取得価額= 総取得価額 - 土地部分価額= 37,000,000 - 10,000,000 = 27,000,000
2. 賃貸開始から前年末までの償却費合計を計算
賃貸開始が2024年6月の場合、2024年分の償却費は6か月分(半年分)です。以下の式を使います。
2024年の償却費=年間減価償却費× 6/12
仮に建物取得価額が2700万円の場合
年間償却費= 27,000,000 × 0.025 = 675,000
2024年の償却費= 675,000 ×6/12= 337,500
3. 前年末未償却残高を計算
前年末未償却残高は、建物取得価額から賃貸開始後の償却費を引いた残高です。
前年末未償却残高= 建物取得価額-累積減価償却費
例えば
前年末未償却残高=27,000,000 - 337,500 = 26,662,500
まとめ
1. 減価償却費の計算は正しく 92.5万円で問題ありません。
2. 前年末未償却残高を正確に計算するには、契約書に記載されている 土地部分の金額を確認し、建物取得価額を算出する必要があります。
石割由紀人様
お忙しいところ、大変丁寧に、そしてとてもわかりやすくご説明をいただきまして、ありがとうございます。いろいろな情報を確認しても、数字が苦手な私にとっては、どれもわかりにくく、石割様のご説明はすぐに理解することができました。
減価償却費について自分の計算が合っていて(経過年数に少しちがいはありましたが)、考え方が間違っていなかったとわかり安心しました。
前年末未償却残高に関してですが、不動産売買契約書を確認しましたが、土地代は何も記載されていませんでした。マンションの1室なのでてっきり土地代は0円と思っていたのですが、そうではないのののすね。金額についての記載がない場合は、どうしたらよいのでしょうか。不動産に確認すれば代金がわかるのでしょうか。それとも0円として計算するのでしょうか?なお、土地に関しては、「敷地権の目的たる土地の表示」に関して、下記の記載があります。
地積:166,295平米、敷地権の割合:66万7489分の7093
ここから土地代は導きだせるのでしょうか。
重ねてのご質問、大変恐縮ですが、ご教示いただけますと嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
本投稿は、2024年12月12日 11時24分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。