売上折半の場合の仕訳
他社からの紹介でとあるお店の開店のお手伝いを共同で行い、その売上を折半しました。
請求書は私の方が代表して出し、のちに他社に半分を振り込んだのですが、売上総額を100とした場合
・売上100で計上し、 他社分は外注費用50として記帳
・売上50 預かり金50で計上し、他社分は預かり金の精算で記帳
どちらが正しいでしょうか?
消費税との兼ね合いで後者でよければありがたいのですが。。
税理士の回答

佐藤和樹
基本的には「売上100、外注費50」の方法が会計上適切です。ただし、共同受注での役割によって「預り金50」で処理できるケースもあり得ます。
パターン①「売上100、外注費50」(一般的な処理)
• あなたが契約主体となり、100の仕事を請け負った
• そのうち50の業務を他社に外注した
• この場合、他社への支払いは「外注費」として処理するのが一般的
パターン②「売上50、預り金50」(共同受注ならOK)
• そもそも、あなたと他社が共同で請け負った仕事であり、あなたが代理で請求しただけ
• あなたは他社分の50を「代理で受け取っただけ(預り金)」という性質なら、売上には含めない
• この場合、売上は50、残りの50は「預り金」として処理することが可能
➡ 共同受注で「預り金50」とするには、以下の条件を満たす必要がある。
✅ 「預り金50」とできる条件
1. あなたが全額の請求をしているが、契約自体は他社と共同で請け負ったものであること
2. 他社が独立して仕事を請け負っており、あなたが単なる代行で請求しているだけ(業務の責任があなた単独でない)
3. 他社が直接請求できる状況だが、便宜上あなたがまとめて請求しているだけ
✅ 「外注費50」とすべき条件
1. あなたが請負契約の主体(=仕事の責任を負う立場)である
2. 他社は、あなたの指示のもとで作業を行っている(単独で請け負っているのではない)
3. 報酬の支払いはあなたから行われ、実質的に業務の主導権はあなたにある
ご丁寧な返答ありがとうございます!
むしろ、他社主導プロジェクトの一部で、指示も他社から受ける立場であり、他社からの依頼で私が代表して請求した経緯なので預かり金で処理しようと思います。
この場合の記帳は
請求時
売掛金:50 売上高:50
入金時
普通預金:100 売掛金:50
預り金:50
折半分支払時
預り金:50 普通預金:50
と言うような感じで良さそうでしょうか
また、免税事業者になる/ならないに関わる部分でもあるのですが、こう言う処理があると税務署に要らぬ疑いを持たれてしまい、税務調査の確率は上がりそうでしょうか?

佐藤和樹
① 預かり金として処理する場合の仕訳
このケースでは、他社の代理で請求しているため、「預かり金処理」でも税務上問題にはならないと考えられます。
✅ 仕訳の流れ
1. 請求時
借方:売掛金 100
貸方:売上高 50
貸方:預かり金 50
➡ 売上は50のみ計上し、残り50は預かり金として処理
2. 入金時
借方:普通預金 100
貸方:売掛金 100
➡ 100全額が入金されたが、売掛金の消込処理のみ
3. 折半分を支払う時
借方:預かり金 50
貸方:普通預金 50
➡ 預かり金として受け取った50を精算
✅ 消費税との兼ね合い
• 売上を50として計上するため、消費税の課税売上が減る
• 免税事業者であれば、売上を抑えられることで免税の範囲内に収まりやすい
② 税務署からの指摘リスク
✅ 税務調査で「売上を抑えている」と疑われる可能性はあるか?
➡ 税務署は「売上の過少計上」や「架空の預かり金処理」をチェックする傾向があるため、疑われるリスクはゼロではない。
📌 税務署に説明できるように準備すべき書類
1. 他社との契約書・委託関係の証拠
• どちらが請求の主体かを明確にする
2. やり取りの記録(メール・チャットなど)
• 他社の指示で請求した証拠を残す
3. 請求書の内訳
• 請求書に「代理請求」であることを明記
✅ 税務署の疑いを最小限にする方法
• 「預かり金」として処理する場合は、契約上「あなたが代表で請求し、他社へ精算する形になっている」ことを明確にする。
• 売上を抑える意図ではなく、実態に即した処理であることを説明できる状態にしておくことが重要。
本投稿は、2025年03月05日 02時55分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。