インボイス制度における健診費用の消費税処理について
当社では、全社員を対象に健診車や医療関係者を派遣して生活習慣病予防検診を実施しています。都合により会社での受診が難しい場合や、医療機関に出向いて受診したい場合、全国健康保険協会が指定する対象医療機関で健診を受け、領収書を提出することで、一般健診・付加健診に対する補助金が支給されます。
健診の費用精算に関して、通常は社員が個人名義で領収書を受け取り、会社に提出する形です。申請には、会社指定の「補助給付申請書」に領収書を添付し、健診費用の欄にオプション費用を除いた税込金額を記入するルールがあります。
この場合、医療機関から受け取った領収書に記載される消費税額と、会社が仕入税額控除を行う際の消費税額が異なる可能性があります。
インボイス制度が導入されたことを踏まえ、社員が提出する領収書に基づく消費税処理について、曖昧なままになっていた以下の点についてご相談させていただきます。
社員が受け取った領収書に記載の消費税額と、会社が仕入税額控除を行う際に計上する消費税額が異なることに関して、インボイス制度上問題はないのでしょうか?「補助給付申請書」が立替金精算書として機能すると思いますが、消費税額も記入するようにすれば支障はないでしょうか?
お手数をおかけしますが、ご教示いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
税理士の回答
論点が2つあると思いますので整理させていただきます。
①インボイスとして認められる書類についてですが、御社の場合、補助給付申請書と領収書がセットになっていると思いますので、その場合は領収書に税額または消費税率の記載、その他インボイスとして認められるために必要な記載内容があればインボイスとして認められます。
②消費税計算上の端数処理の問題になると思いますが、消費税を「割戻計算」されているか「積み上げ計算」されているかで端数処理のタイミングが異なり、「割戻計算」を採用されている場合税額がインボイスと端数分ズレることは一般的にあり得ます。
どちらの計算方法を採用されているかは会社によりますが、一般的には小売業等取引件数が多い業種以外は割り戻し計算をされていると思います。この場合はインボイスと税額が異なっていても問題ないと思われます。
もし積み上げ方式を採用されているのであれば、理論上は消費税額をインボイス記載の税額に補正する必要があるかと思います。
ご回答いただきありがとうございます。
補助給付申請書と領収書の組み合わせでのインボイス対応について、追加で確認させていただきたい点がございます。
①インボイス制度における消費税額の記載について
従業員個人名義の領収書のみでは、当社での仕入税額控除ができない認識です。そのため、立替金精算書としての補助給付申請書も必要になると思います。
現状、申請書には消費税額の記入欄がありませんが、インボイス制度上、この記入が必須になるかどうか、ご教示いただけますでしょうか。
②会社負担額と領収書総額が異なる場合
例えば、一般健診+オプション検査を受診した場合、領収書には合算額で消費税が記載されますが、会社として負担するのは一般健診分のみです。
この場合でも、立替金精算書で会社負担分が明確になっていれば、実務上の消費税処理に問題はない、という理解でよろしいでしょうか。
お手数をおかけしますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
本投稿は、2025年12月05日 16時00分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






