引当金の名前
製造業です。親会社に対して出荷した製品に不良がでてしまい、今期100~300万の損失が出そうです。親会社の支払から相殺処理になりそうなのですが、当社の12月決算までにはっきりした金額がでるかどうか分かりません。当期の損失なので、金額がはっきりしなくても当期の費用にしたいのですが、この場合はどのように処理すれば良いのでしょうか?引当金でしょうか?引当金にするのなら、「不良品引当金」でしょうか?適切な名称が浮かびません。
また、期中に金額が確定して処理する場合、これは雑損失でしょうか?
P/Lの営業費用の部分に計上するべきでしょうか。それとも特別損失の部分でしょうか。
近年はこのようなことが起こったことはなく、30年以上前に一度あったようで、今古い決算書を調べているところです。
税理士の回答

寺尾諭
金額がはっきりしない場合、合理的な金額を見積もり引当金として計上するのがよろしいかと存じます。但し、税務上は金額が確定しないと損金とはなりませんので、ご留意ください。
引当金の名称ですが、きまりはありませんので、その内容を簡潔にあらわすものであればよろしいかと存じます。ご質問者様がお考えの不良品引当金でも結構ですし、製品不良引当金とされているところもあります。
30年に一度のことであれば特別損失でよろしいかと存じます。ただ、損失の金額が軽微等で貴社にとって重要なものでない場合、営業外費用の雑損失等適当な科目に計上することも可能かと存じます。
引当金という科目を使わずに、見積額で 雑損失/未払費用 とする処理も可能でしょうか。
この場合、4表で否認しておかないと法的にアウトですか?
引当金を使うと銀行からの印象が悪くなるのでしょうか。
そもそも、引当金というのは毎期毎期発生するものに対して計上するもので、単発で発生したものに対して計上するのはおかしいのでしょうか?

寺尾諭
>引当金という科目を使わずに、見積額で 雑損失/未払費用 とする処理も可能でしょうか。
企業会計原則では「未払費用とは、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供を受けた役務に対していまだその対価の支払いが終わらないものをいう。」
とされており、未払費用勘定を使用することは適当ではありません(企業会計原則に反しています。)
>この場合、4表で否認しておかないと法的にアウトですか?
その通りです。4表で加算が必要です。
>引当金を使うと銀行からの印象が悪くなるのでしょうか。
未払費用等を利用して隠しているのを見つかる方が印象が悪いような気がします。
>引当金というのは毎期毎期発生するものに対して計上するもので、単発で発生したものに対して計上するのはおかしいのでしょうか?
引当金は毎期発生するものに限りません。大きな会社でもリストラ引当金や店舗撤退引当金など数年又は何十年に1度のようなものでも計上しております。
引当金は以下の要件に当てはまる場合計上するものです。
①将来の特定の費用または損失である
②発生が当期以前の事象に起因している
③発生の可能性が高い
④金額を合理的に見積もることができる
ちなみに、不良品に対する引当金は非常に良くある引当金です。
本投稿は、2017年10月31日 09時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。