開業費として計上できるものについて
先日、個人事業主としてフランチャイズの学習塾を開業しました。
現在、開業費として計上するものを整理しているのですが、以下のものは開業費に含めて問題ないでしょうか?
①テナント取得関連費用のうち以下
敷金、礼金、初月家賃(開業前後の期間が含まれる)、借家人賠償保険料、家賃保証委託料、仲介手数料
②フランチャイズ契約関係費用のうち以下
加盟金、ライセンス料
③テナント内装工事費用
また、10万円を超えるものは開業費にならないと思いますが、それは備品についての話であり、上記のものは10万円を超えていても開業費に計上できると考えています。この認識で合っているでしょうか?
よろしくご教示願います。
税理士の回答
①テナント取得関連費用のうち以下
敷金・・・資産
礼金・・・繰延資産5年で償却
初月家賃(開業前後の期間が含まれる)・・・開業のみ開業費
借家人賠償保険料・・・保険料
家賃保証委託料・・・開業費
仲介手数料・・・開業費
②フランチャイズ契約関係費用のうち以下
加盟金・・・資産
ライセンス料・・・内容が分からないので、不明。多分よいでしょう。
③テナント内装工事費用
また、10万円を超えるものは開業費にならないと思いますが、それは備品についての話であり、上記のものは10万円を超えていても開業費に計上できると考えています。この認識で合っているでしょうか?
間違っている。
よろしくご教示願います。
ご質問についてです。
開業後も継続してかかる費用や返金が想定されるものは開業費として計上することができません。
よって①②の中で開業費といけそうなのは、仲介手数料のみになるかと思います。
③については固定資産になることが有力かと思います。
開業費に計上できるものの例としては、広告宣伝費や、看板・名刺の作成費、打ち合わせに要した飲食代などです。
これらについては10万円を超えても開業費で計上しても構いません。
三嶋政美
結論から言うと、ご認識は概ね正しいです。
まず、①のテナント取得関連費用については、敷金は資産計上(保証金として)、礼金・仲介手数料・保証委託料・借家人賠償保険料は開業費に含めて差し支えありません。初月家賃も開業前分は開業費、開業後分は賃借料として処理します。
②のフランチャイズ加盟金・ライセンス料は、原則として繰延資産(開業費)として計上可能です。
③の内装工事費用は、通常は資本的支出として固定資産計上となり、減価償却が必要です。
10万円超で開業費計上不可という制限は、備品などの資産性のあるものに適用される話であり、役務費用などは金額に関わらず開業費で問題ありません。
佐藤和樹
原則として、10万円を超えるものであっても「開業前に事業開始のために支出した費用」であれば「開業費(繰延資産)」として計上可能です。
ただし、支出の性質によっては開業費ではなく「資産」として扱うものもあるため、項目ごとに判断が必要です。
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【① テナント取得関連費用】
・敷金:
→ 開業費ではなく「差入保証金(資産)」として計上。将来返還されるため。
・礼金:
→ 開業費として計上可能(資産性がなく、一時的な支出のため)。
・初月家賃:
→ 開業前の期間分は開業費、開業後分は「地代家賃(経費)」として処理。
・借家人賠償保険料:
→ 契約時に一括で支払うものは開業費として計上可。期間が1年以上なら按分処理も検討。
・家賃保証委託料:
→ 初回のみで、かつ開業前の契約に伴う支出であれば開業費として処理可。
・仲介手数料:
→ 開業前に契約したテナントに関する支出であれば開業費に計上可能。
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【② フランチャイズ契約関係費用】
・加盟金:
→ 開業費として計上可能(開業前の事業準備に関する支出)。
・ライセンス料:
→ 一括払いで契約期間が長期にわたる場合は「繰延資産(長期前払費用)」となる可能性あり。ただし、契約時に一度限りで開業にかかる費用であれば、開業費で処理可。
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【③ テナント内装工事費用】
・原則として「固定資産(建物附属設備)」扱い。
→ 工事の内容や金額によるが、10万円超で耐用年数が1年以上のものは減価償却資産となるため、開業費ではなく資産計上し、減価償却により数年で費用化する。
回答ありがとうございました。
佐藤先生のご説明の中で、ライセンス料について追加で確認させてください。
ライセンス料は契約時に一度きりなのですが、一括払いで契約期間は3年。更新しても追加のライセンス料はなしです。この場合は開業費で計上してもよいでしょうか?
本投稿は、2025年07月08日 08時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







