未完成の住宅に払った費用の科目
個人事業で農業を営んでおります。
R8.4月完成予定の住宅に関する費用(地盤強化・砂利敷)100万円をR7.9月に支払いました。
事業専有面積を10%として、10万円を経費計上したいと考えています。
この場合、10万円をR7年の申告で経費計上できますか?できる場合の仕訳を科目含めて教えていただきたいです。
それとも住宅完成時のR8.4月に住宅費用に合算して償却資産にあげるのかどちらでしょうか?
この場合の今回の申告時の仕訳方法を教えていただきたいです。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
山口勝己
R8年4月完成予定の住宅地盤強化・砂利敷費用(100万円)をR7年9月に支払った件について、R7年の申告で10万円を経費計上することはできません。
この費用は「住宅の完成前」に支払われた、住宅建築に関連する費用であるため、住宅完成時(R8年4月)に、建物(または土地)の取得費に合算して資産計上し、その後、減価償却を行う形になります。
以下に理由と、今回のR7年申告時の仕訳、その後の処理について詳しく説明します。
1. 理由:なぜR7年に経費計上できないか
完成前(前払い)の扱い: 住宅そのものがまだ完成していない(事業に使われていない)状態であるため、費用は「前払金」または「建設仮勘定」として処理します。
地盤改良工事の性質: 地盤改良は住宅を建てるために不可欠な費用であるため、地盤改良工事費は「建物」の取得価額に含まれるのが原則です。
砂利敷き(外構)の性質: 住宅に付随する駐車場等の砂利敷きは、通常は構築物(減価償却資産)として扱われますが、完成前であるため建設仮勘定となります。
2. 今回の申告(R7年分)の仕訳
R7年9月の支払時点では、100万円全額を「建設仮勘定」として処理します。事業専有割合10%を現時点で経費にすることはできません。
【R7年9月 支払時の仕訳】
借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額 備考
建設仮勘定 1,000,000 現金/預金 1,000,000 住宅・外構関連費用
※事業専有割合(10%)は、この時点ではまだ適用せず、全額を仮の資産科目で処理します。
3. 住宅完成時(R8年4月)の仕訳と処理
住宅が完成(R8年4月)した時点で、建設仮勘定を本来の固定資産科目に振り替えます。その際に、事業専有割合(10%)を適用します。
建物として計上(事業用:10%)
事業主貸として計上(家事用:90%)
【R8年4月 完成時の仕訳(例)】
借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額 備考
建物 100,000 建設仮勘定 1,000,000 事業用の地盤・砂利費10%
事業主貸 900,000 家事用の地盤・砂利費90%
※地盤改良は建物の一部、砂利敷きは建物または建物付属設備(外構)として計上します。
※R8年の確定申告において、建物として「10万円」の減価償却費を計上することになります。
4. 土地の取得費に含まれるか?
ご質問の「地盤強化・砂利敷」は、一般的に「土地を更地にするための地ならし」ではなく、「建物を安全に建てるための工事」に該当するため、土地の取得費ではなく、建物の取得費(または附属設備)に含まれるという解釈が通例です。
まとめ
R7年の申告: 100万円は「建設仮勘定」として全額を資産計上(経費は不可)。
R8年の申告: 完成時点で10万円を「建物(または附属設備)」に振り替え、減価償却を開始。
※なお、地盤改良等の費用は、その土地がもともと地盤が弱く、土地自体に問題があった場合は土地取得費とみなされるケースも稀にあるため、詳細は所轄の税務署へ確認することをお勧めします。
わかりやすい解説ありがとうございます。
適切に申告できそうです。
ありがとうございました。
山口勝己
参考になって良かったです。よろしくお願いいたします。
本投稿は、2026年01月31日 17時26分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







