法人で加入している保険の名義変更
小さい法人の社長をやっております。この度、保険屋さんから、法人契約で負担者、受取人全て法人の保険を個人に変更しませんかとお話しがありました。20万円で個人が法人に支払えば、個人名義に変える事が可能との事ですが、このような事ってありますか?なんか税務上問題無いのかなと思いまして。顧問税理士は保険会社に問題無いか確認してとの事でした。よろしくお願い致します。
税理士の回答
法人名義の保険を個人名義に変える場合は、契約者変更になり譲渡として扱われると思います。
20万円で個人が法人に支払えば、個人名義に変える事が可能との事ですが、このような事ってありますか?なんか税務上問題無いのかなと思いまして。顧問税理士は保険会社に問題無いか確認してとの事でした。よろしくお願い致します。
20万円が資産の積立金額だとそれですみます。買取です。買取金額が20万円でよいのかどうかを確かめてください。
解約返戻金の金額と同じです。
荒川直宙
結論から申し上げますと、手続き自体は実務上よくあることで可能ですが、提示された「20万円」という金額でそのまま買い取って良いかどうかは、その保険の「契約日」や「種類」によって異なります。
顧問税理士の先生が「保険会社に確認して」と仰ったのは、最終的な税務判定には保険会社側のデータが必要になるためです。税務上のリスクと、社長様が取るべき具体的な確認手順を整理しました。
【1】基本的なルール:なぜ「20万円」なのか?
法人名義の生命保険を個人名義に変更する場合、社長が法人に適正な時価を支払って「買い取る」形をとります。
原則として、この適正な時価は「名義変更日時点の解約返戻金相当額(配当金や前納保険料等があれば合算した金額)」とされています。保険担当者が「20万円払えば」と言っているのは、現在の解約返戻金の試算が約20万円だからだと思われます。この原則通りの計算であれば、名義変更時点の正確な金額で買い取ることで問題ありません。
【2】最大の注意点:令和3年の「名義変更ルール」の厳格化
注意が必要なのは、この保険が「令和3年の国税庁の厳しい新ルール(例外)」に当てはまってしまう場合です。
かつて、法人が高い保険料を払い、解約返戻金が極端に低い時期(今回で言えば20万円)に個人へ安く譲渡し、後で解約返戻金が跳ね上がって個人が利益を得るという節税スキームが流行したため、国税庁はルールを厳格化しました。
◆ 厳しい新ルールの内容
以下の条件を【すべて満たす場合】、20万円前後の解約返戻金ではなく、法人が今まで帳簿に積んできた「資産計上額」で買い取らなければならない、というルールができました。
・令和元年(2019年)7月8日以後に契約した、保険期間3年以上の定期保険等
・最高解約返戻率が「50%超」の保険
・名義変更時の解約返戻金相当額が、法人の帳簿上の「資産計上額の70%未満」であること
もしこのルールに該当するのに20万円で買い取ってしまうと、本来の価値との差額が「社長への臨時ボーナス(役員賞与)」とみなされ、社長個人の所得税が高くなり、法人側でも経費として認められないという重い税負担が発生します。
【3】社長が取るべきアクション(具体的な進め方)
顧問税理士の先生は「御社(法人)の帳簿(資産計上額)」は分かっていますが、「保険商品の内部データ」を持っていないため、最終判定ができません。
また、保険会社は御社の帳簿を知らないため、「税務上絶対に問題ありません」と断言することはできません。
したがって、社長様は保険担当者に以下のように伝えて、判定に必要なデータ(書面)をもらってください。
◆ 保険担当者に伝える依頼フレーズ
「名義変更の手続きを進める前に、顧問税理士が税務上の判定(令和3年の名義変更プランの通達に抵触しないかの確認)を行うため、以下の3点が分かる書面(試算表など)を出してください。
① 保険の契約日と正確な保険種類
② 名義変更予定日時点での『解約返戻金額(配当金等含む)』
③ この保険の『最高解約返戻率』」
保険担当者からその書面を受け取り、顧問税理士の先生にお渡しください。税理士の先生がそのデータと御社の帳簿を照らし合わせて「例外ルールに引っかからないか」を最終判断してくれます。
これが、社長様にとっても会社にとっても最も安全で確実な進め方となります。
少しでもお役に立てましたら、ベストアンサーに選んでいただけますと幸いです。
ありがとうございます。ものすごく詳しくご説明いただきましてありがとうございます。良く理解できました。
本投稿は、2026年10月05日 12時22分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







