産業医からの源泉所得税の徴収漏れを過去に遡って改善したいが、その改善の方向性が分かりません。
<概要>
下記のケースの場合、過去から現在に至るまで、源泉徴収を行ってこなかった状態に関して、過去に遡って、改めて、当社が、源泉所得税を税務署に納税する義務、必要性は、今でも消えないまま、残っていると考えるべきでしょうか?
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<現状>
・当社は、安衛法に規定する産業医業務の委託契約を「個人開業医」と5年以上に渡って結んでおります。
・契約内容としては、当社から月6万円を契約産業医の個人口座へ振り込み、契約産業医からは、年6回の衛生委員会への出席、健康診断結果後の意見聴取などの役務提供を求めております。
・そもそも、国税庁のタックスアンサーに依れば、「個人開業医」との産業医契約に関しては、「報酬料金」としてではなく、あくまで「乙欄給与」として、源泉徴収すべし、と明記されております。併せて、「消費税」はこれに伴い、「不課税取引」となる旨も併記されているようです。
・しかしながら、当社は、過去これまで一切、源泉徴収を行わないまま、契約金額を振り込み続け、もちろん、法定調書についても、税務署および契約産業医に対して、発行、送付はして来なかった状態です。
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<改善の必要性の有無>
・このたび、法令順守の観点から、上記の状態を過去にまで遡って、改善を致したいと考えておりますが、どのような流れ、フローを辿るべきでしょうか?
・ただし、改善に当たっては、契約産業医からは、過去の分について、源泉徴収すべきであった源泉所得税を今更、契約産業医に対しては、請求することは考えておらず、あくまでも、当社の費用負担として、遡って、源泉所得税を納税する方向で考えております。
・上記の対応(案)について、契約産業医が当社からの支払金額を所得に含めた上で、すでに確定申告を毎年なされている場合に於いて、それでもやはり、過去の分も含めて、遡って、源泉所得税を当社が収める必要性、義務は残っているのでしょうか?
・あるいは、すでに、契約産業医が、過去から現在まで、当社からの支払金額を含めた上で、確定申告を済ませて来ているのだから、過去に遡って、源泉所得税を納税する必要性、義務はない、と考えて良いものでしょうか?
・もっとも、契約産業医が、当社からの支払金額を本当に所得として計上しているか否か?の確認は取ってはおりませんが・・・。
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<最後に>
以上、法的義務があるか否か?たとえ義務はあるとしても、そのリスクの度合いについては、軽微なものであるから問題なしと取り扱うリスクの度合いについて、どうか、ご教示願いたく存じます。
残念ながら、当社には、顧問税理士はおらず、税務会計に明るい者もおらず、困っております。
税理士の回答

個人開業医に対する報酬ですが、正しくは乙欄給与として源泉徴収する必要がありました。これから是正しようとすれば、源泉徴収すべき金額を計算し、過年度分の源泉所得税を税務署に納付し、産業医の先生からは支払い過大となっていた報酬を返金してもらうという手続きになります。
ただ、御社における事務手続き、税務署における処理、産業医の先生における処理が複雑なのでこの様な是正措置をとることは現実的ではありません。
私は、産業医報酬の源泉徴収ですが、誤りに気が付いた月から訂正するという処理で十分だと考えます。
藤本公認会計士・税理士事務所(広島市)
税理士 藤本寛之 様
ご回答いただきまして、誠にありがとうございます。
やはり、先生のご提案の処理、すなわち、気づいた時点から、自主的に将来に向かっての訂正で、
リスクはそれなりに回避出来得る旨、安心致しました。
もちろん、事案ごとの程度により、ケースバイケースであります旨、重々承知しておりますが・・・。
以上、貴重なご私見を頂きまして、感謝申し上げます。

参考になれば幸いです。
顧問先でも過去に同様の事案がございました。その際も修正が可能な月から修正を行いました。
本投稿は、2018年03月02日 22時50分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。