税理士ドットコム - [所得税]定年退職金、ideco解約時期、関連会社役員退職金支給時期が異なる場合、退職所得課税ご教示下さい - 1. 結論(ポイント)- 2026年10月に受け取るiDeCo...
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定年退職金、ideco解約時期、関連会社役員退職金支給時期が異なる場合、退職所得課税ご教示下さい

グループ会社で①従業員身分の会社と②取締役身分の会社の2社に所属しています。

①の会社は2025年10月定年(勤続年数23年、退職金予定額572万円)。定年後は再雇用。2017年10月よりIdeco個人型開始(毎月2.3万円積立×9年)も加入期間が足らず61歳より受給可能です。※退職金支給時期とIdeco解約可能時期がズレるパターンです。

一方②の会社は2016年12月就任の取締役は①の会社定年後も継続の予定で、退任時には規程上、退職慰労金が支給予定(最大で70歳まで勤務前提)です。

2025年10月定年退職金は勿論ですが、2026年10月にIdecoを解約一時金(2025年7月現在、運用益含めて残高340万円前後)として受給予定ですが、退職所得控除期間との重複期間を加味しても退職所得に対する税金は発生しないと思われます。

Ideco受給から4年(65歳)~9年(70歳)には②の会社の退任時、役員慰労退職金の支給(1,000~1,300万円)となります。

質問ですが、現税制上は5年以上の期間を空けて支給される退職金については所得控除の優遇が受けられると認識ですが、税制改正により必要な空白期間5年が10年に延長されるようですが、10年未満の場合に退職所得計算にどのような影響がありますでしょうか?

ご教示の程、宜しくお願い致します。

税理士の回答

1. 結論(ポイント)
- 2026年10月に受け取るiDeCo一時金340万円(現状ベース)は、その後の退職金(役員慰労金)と「勤続期間が重なる」と判定されます。
- 2025年10月に受け取る会社①退職金はこれまで通り5年ルールで判定されます(役員慰労金の課税上は無視)。
- このため、65歳や70歳で役員慰労金を受け取るとき、改正前と比較してiDeCo一時金の勤続期間が重なる分(320万円と試算)だけ控除額が減り、課税対象が増える可能性があります。

=====以下詳細です====

2. 時系列での整理
- 2025年10月:会社①退職金(572万円) → 今回の改正ルールの対象外(影響なし)
- 2026年10月:iDeCo一時金(約340万円) → 改正後ルールの対象
- 2030年10月(65歳)または2035年10月(70歳):会社②役員慰労金(1,000~1,300万円)

退職金②の前年以前9年以内(=10年以内)にiDeCoの一時金があると新ルールが適用されます。
(新ルール)
◆2026年以後の退職金:10年ルールで判定
◆2025年以前の退職金:5年ルールで判定

結果、65歳・70歳どちらで退職金を受け取っても「10年以内に受け取ったiDeCo一時金」が重複の判定となり、「2025年以前の退職金で、5年より前に受け取っている会社①退職金」は考慮不要となります。

3. 控除額が減る仕組み
退職金の税金は大ざっぱに
 >> {(退職金 − 退職所得控除)× 1/2 }× 税率 <<
で計算します。
勤続年数が重なると、この「退職所得控除」が減らされます。
今回の場合、iDeCoの加入期間(2017年10月~2026年9月)と役員勤続期間(2016年12月~2030年10月又は2016年12月~2035年10月)が重なるため、控除額の一部が差し引かれます。

4. 計算イメージ(例)
iDeCo一時金が340万円の場合:
- 控除から差し引かれる額は 特例により320万円
- 役員退職慰労金(1,300万円/2035年受取)の場合:
 19年分の控除額=760万円
 調整後の控除額=760万円-320万円=440万円
  → 課税対象=(1,300−440)÷2 = 430万円

※差し引く金額は原則重複期間10年×40万円=400万円ですが、iDeCoの一時金額が400万円未満の場合、特例によりiDeCoの一時金額をベースに計算します(端数処理の関係で最終的に320万円)。

5. 注意点
- 会社②の退職金の計算に会社①の勤続年数を合算しない前提で計算しています。もし規程上合算される場合は結果が変わります。
- 上記はご参考までの試算です。本回答は2025年8月時点で公表されている法令等(改正後を含む)に基づき整理した内容ですが、税制改正直後で実務事例が少なく、今後の通達や運用により異なる解釈となる可能性があります。最終的な判断や申告にあたっては、所轄税務署や顧問税理士等に必ずご確認ください。

ご回答ありがとうございます。10年後の影響をお尋ねしても、今後の実務対応や将来的な法改正もあり得ますが、現時点での課税概要は把握できました。
①②の支給又は受取時点で課税の影響はなく(又は僅少)とも、結果的に③の支給時には少なからず影響がある事、理解しました。改めて御礼申し上げます。

本投稿は、2025年07月25日 17時21分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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