扶養控除の要件
今年度給与控除が160万円に引き上げられましたが、16歳以上の扶養がいる場合の扶養控除の要件も160万円に引き上げられたのでしょうか?
税理士の回答

米森まつ美
>16歳以上の扶養がいる場合の扶養控除の要件も160万円に引き上げられたのでしょうか?
⇒ 扶養となる所得要件としての「給与の収入金額」の目安は「123万円」となります。
なお、16歳以上23歳未満の方で扶養から外れた場合において「(特定)扶養控除額」と同額の控除(特定親族特別控除)を受けられる給与収入金額の目安は「150万円」となります。
【解説】
扶養となる所得要件である、「合計所得金額」は48万円から58万円に改正になりました。
また、給与収入から控除する「給与所得控除」の額も、55万円から65万円になったことから、収入が給与収入のみの方の場合「扶養」に入るか否かを判断する際の収入金額は123万円※となります。
※ 給与収入123万円 ー 給与所得控除額65万円 = 給与所得金額58万円 = 合計所得金額58万円
そのため、給与収入額が123万円を超えた場合は扶養から外れます。
しかし、今年の改正で「特定親族特別控除額」が新設されたことにより、16歳以上23歳未満の方は、一旦扶養から外れたものの収入(所得)によって段階的に特別控除が受けられるようになりました。
そこで、合計所得金額が58万円超85万円以下の方の場合(給与収入だと123万円超150万円以下)の場合は、「特定扶養」の控除額と同額の「63万円の特定親族特別控除」が受けられることになります。
給与の収入金額が150万円を超えた場合、当該特別控除額は段階的に減額されます。
>給与控除が160万円に引き上げられました
⇒ 給与所得控除額が160万円になったわけではないのでご注意ください。
正しくは、給与所得控除額は10万円割増しになり、65万円となったこと、基礎控除額が58万円(以前は48万円)に改正になり、かつ、合計所得金額655万円以下の方の場合は基礎控除額の加算がされることにより、給与収入160万円以下の方は「所得税」の課税がされなくなりました。
ただし、住民税の控除額は改正がなく45万円のままですので、いわゆる100万円の壁が110万円の壁となっています。
なお、基礎控除額は「合計所得金額132万円以下」の方は「95万円」です。この額も段階的に減額されていきます。
そのため、給与の収入金額が160万円までは所得税の課税がないことになります
給与収入160万円 - 給与所得控除額65万円 = 給与所得金額(合計所得金額)95万円
合計所得金額95万円 - 基礎控除額95万円 = 課税所得金額0円
国税庁HPから参考箇所を添付します
今回の「基礎控除額の改正(割増し)」や「特定親族特別控除」の額が段階的に変更となることが分かると思います。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025004-025.pdf

米森まつ美
1点訂正します。
「特定扶養親族」及び「特定親族」を
「16歳以上23歳未満」としましたが
「19歳以上23歳未満」の誤りです。
大変失礼しました。
そのため、「16歳以上」のご質問としては、通常の「扶養親族(扶養控除)」の考え方になります。
そのうえで「19歳以上23歳未満」の方に関しては、
扶養に入る場合は「特定扶養」として扶養控除の割増額が、
扶養から外れた場合は段階的に「特定親族特別控除額」が受けられます。
お詫びして訂正いたします。
本投稿は、2025年08月23日 13時40分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。