不動産の保証金償却について教えて下さい
普通のサラリーマンです。聞きたいのは下記の保証金全額償却て問題無いかです。隣接地に賃貸物件建設計画があり以下のスキームが計画者から提案されています。私が自己所有の土地1筆(古い建物が建っており利用していない土地)を整備してバイク置場として使用するため賃借したいとの内容です。付加価値を生まないため賃料は固定資産税プラスアルファの予定です。更地にするため固定資産税が6倍になります。整備費用は先方が全額負担しますが、同様の金額を保証金名目で当方に差し出すとのことです。つまり手元にお金は当然残りません。保証金はざっくり3百万円程度です。そして賃貸借契約をかわして、保証金を全額償却するスキームです。つまり当方の収益に毎年あげて15年程度で償却する計画です。毎年確定申告していきますが結果的に収益分への所得税がかかるのは承知済みです。前提として賃貸借契約時に全額償却は明記します。懸念しているのは当方自己負担無しで整備をして、なおかつ賃借料までもらうのは違和感がありますが税務上問題ないですか?よろしくお願いします。
税理士の回答

藤田正和
質問の回答は③になりますが、気づいた点も含めて記載します。
①契約上は、全額償却するというよりも、保証金は返還しない旨を明示する方がいいと思います。
また、税務的には保証金は返還しないことが確定した年度の収益ですので、受け取った年度で全額収益になります。毎期償却での収益計上ではありません。ただし、同額程度の工事費用の負担があるので、所得はほぼ生じないと思います。
②以後の各年度においては、賃貸収入が毎年の収益に対して、固定資産税が毎年の費用になりますので、差額の+α部分が所得になります。
③質問者様の持出しがなく、賃料収入が発生することには特に問題はありません。先方からの経済的利益(取壊し費用の負担分と毎期の賃料)を申告していれば税務的にも問題はありません。
④賃借する部分は土地全体ですかね?そうではなく、一部分の賃借の場合で、賃料収入で全体の固定資産税をカバーできない場合は、残りの部分は6倍になった固定資産税が自己負担ですので、ご注意ください。

渡邊俊雄
ご質問をお読みしていると建設協力金方式なのではないかと思います。
整備費用を最初に預かり、預かったお金で整備して毎月の賃料から預り金が差し引かれるというものだと思います。(違っているようでしたら以下参考になりませんのでスルーしてください)
「賃貸借契約時に全額償却」というところが分かりませんが、「契約期間内に全額償却」ではないでしょうか?
商流を仕訳に致しますと
①保証金預かり時 預金/長期前受収益(前受け金) 300
②毎月 長期前受収益5/家賃収入 5 (5年払いとして、年間60万円償却分)
預金 3 / 家賃収入 3 (固定資産税+α)
毎月8万円程度の家賃設定で、300万円を5年間で返済する前提といたしました。
③整地費用 固定資産/預金 300
④確定申告 減価償却/固定資産 30?(10年~15年償却が多い)
仕訳にするとこのようになると思いますが、最終的には、整地費用をご自身で出したことになります(毎月返済していることになりますので)。
この前提で
(1) 賃料設定は周辺相場比較して問題ないか。
(2) 駐車場設備のメンテナンス費用、撤去費用はご相談者様の負担だと思います。その辺りは考えていますでしょうか?
他にも気を付ける点があるかも知れませんが、思い当たるところを記載させていただきました。

藤田正和
固定資産を計上するなら渡邊先生の建設協力金方式の方がいいですね。
質問拝見しておりますと、返済しないとのご認識だと読み取れますので仕訳の金額は若干異なるとは思いますが。
渡邊先生、藤田先生ありがとうございました。プロにお聞きすると、なるほどと思います。お陰で大変参考になりました。
本投稿は、2025年10月07日 20時50分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。