45年前に購入した不動産の価格はそのまま受け継がれるのか
45年前に父が2000万円で購入した不動産があります。
この価格は現在の価値に見直して取得費として計上することは可能なのでしょうか?
それとも父が購入した代金2000万円をそのまま取得費として計算しなければいけないのでしょうか?
よろしくお願いします。
税理士の回答

米森まつ美
回答します
「取得費」とは文字通り取得した時にかかった費用ですので、購入金額が基本となります。
譲渡所得の計算上、実際に取得した費用の価格が不明の場合は、譲渡(売却)価額の5%が取得費とされます。
なお、不動産のうち土地は購入価額で良いのですが、建物のような減価償却資産の場合は、減価償却後の金額が取得費となります。
減価償却とは、時の経過により価値が下がった分になります。(事業の場合は費用にした分となります)
国税庁HPから、参考になる箇所をお知らせします。
タックスアンサーNo3252「取得費となるもの」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3252.htm
タックスアンサーNo3261「建物の取得費になるもの」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3261.htm
米森先生
ご回答ありがとうございます。
なお、不動産のうち土地は購入価額で良いのですが、建物のような減価償却資産の場合は、減価償却後の金額が取得費となります
とのことですが、マンションの場合ですと土地と建物を分けて、建物のみに減価償却することになるのでしょうか?
土地建物の区分がなく、販売価格のみの記載しかない場合はやはり購入金額全てに減価償却をしなければいけないでしょうか?
よろしくお願い致します。

米森まつ美
回答します
マンションの場合であっても土地と建物を区分することになります。
消費税額があると分かりやすいのですが、45年前だとまだ消費税が導入されていませんので「建物の標準的な建築価格表」というものを参考にされてはいかかでしょうか。
計算する式も掲載されていますので、参考になると思います。
マンションの購入は昭和53年と仮定しますと次のようになります。
鉄骨鉄筋コンクリ―: 1㎡あたり122,400円
仮に専有面積が100㎡でしたら
122,400円×100=12,240,000円
土地建物の購入代金が20,000,000円としたら
20,000,000円 -12,240,000円 =7,760,000円 土地の取得費
となります。
次に減価償却費の計算をして建物の「取得費」を算出します
非事業用
(償却率などは添付したタックスアンサーを参照してください)
鉄筋・コンクリート製 償却率0.015
12,240,000円×0.9×0.015×45年=7,435,800円
12,240,000円 - 7,435,800円= 4,804,200円 建物の取得費
このようになります。
「譲渡所得の申告のしかた」に掲載されている「建物の標準的な建築価格表」です。今現在手元にある書類は、令和元年版ですが参考になると思います
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/kisairei/joto/pdf/013.pdf
「令和元年譲渡所得の申告のしかた」の全体はこちらです
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/kisairei/joto/index.htm
タックスアンサーNo3261「建物の取得費の計算」
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/3261.htm
米森先生
ご回答ありがとうございます。
とても分かりやすくて大変参考になりました!
感謝致します。ありがとうございました。

米森まつ美
ベストアンサーをありがとうございます。
これからもご不明点がありましたら「みんなの税務相談」にお寄せください。
本投稿は、2020年10月06日 14時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。