消費税の確定申告について
私は、会社と顧問契約をしており、消費税に関しては、簡易課税制度を採用しています。2023年10月以降インボイス制度の導入に伴い、会社から顧問料支払い時に消費税分を控除すると連絡が有りました。確定申告ではこの天引きされた消費税分はどの様に取り扱えばいいのでしょうか。天引きされた収入のみを非課税収入の様に計上すればいいのでしょうか。簡易課税制度を採用しているにもかかわらず、収入の10%を消費税として支払うことになるのでしょうか。
宜しくお願い致します。
税理士の回答

竹中公剛
収入が課税売上になると考えます。
収入に対して10/110が、頂いた消費税です。
これに簡易課税の税率をかけた金額が、納付額です。
宜しくお願い致します。

米森まつ美
回答します
会社から顧問料支払い時に消費税分を控除すると連絡が有りました。
⇒ 貴方はインボイスの登録をしていませんか。
会社が貴方がインボイスの登録をしていないと勘違いして、自身の仕入税額控除ができなくなる(本来は80%まで対象)と考え、そのような事を言っている可能性があります。
そもそも、消費税の仕組みを誤解している可能性もありますし、仮に貴方が免税事業者だと誤認したとしても、そのような値下げは独占禁止法等に違反する可能性があります。
参考に公正取引委員会は令和5年5月に発行した「注意事例」を添付します。
https://www.jftc.go.jp/file/invoice_chuijirei.pdf
なお、この文章でも紹介されていますが、各省庁連名の「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応のQ&A」も添付いたします。
Q7をご覧ください。https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/invoice_qanda.html
また、消費税額が天引きされた(消費税額の支払いがない)収入であっても非課税取引にはなりませんし、課税取引であれば、貴方が消費税の申告時に課税売上として申告(納税額はみなし仕入の控除後)する必要があります。
貴方が課税事業者であること、インボイスの発行事業者として登録していること、インボイスを発行する事ができることなど、よく説明をする必要があります。
なお、課税事業者であってもインボイスの登録をしていない場合はインボイスの発行ができませんので、その場合は登録を速やかに行う事などを説明するなど、よく話し合ってください。
私は消費税課税事業者で、簡易課税制度を選択しています。また、インボイスの登録はしておりませんし、免税事業者ではありません。

米森まつ美
取引先は、インボイス登録がない事業者からの仕入などは、仕入税額控除ができなくなるため、そのような話をしてきたのだと思います。
インボイス登録自体は選択が可能ですが、登録をしていない場合であっても課税事業者であれば消費税の納税義務が生じます。
そして、仮に税込11万円が10万円に値引きされた場合であっても、この10万円は消費税の申告時に課税売上高となります(課税標準額は10万円÷1.1=90,909円)
値決めの問題にもなりますが、貴方が登録をしない場合であっても取引先は貴方への支払いにかかる消費税額の税額控除が8/10はできるわけですから、消費税額分全額を天引きするのは、理不尽な気がします。
※ 先ほどの例であれば、消費税額1万円の80%、8千円が仕入税額控除の対象となります。
インボイス登録をされないのであれば、せめてその分は支払って頂けるように話し合われてはいかがでしょうか。

竹中公剛
私は消費税課税事業者で、簡易課税制度を選択しています。また、インボイスの登録はしておりませんし、免税事業者ではありません。
課税事業者で、簡易課税事業者ならば、インボイスの登録をしたほうが、損はしないように考えます。
損得です。
よろしくご判断ください。
本投稿は、2023年10月24日 09時35分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。