消費税申告方法について(無申告)
お世話になります。
お恥ずかしい話ですが、個人事業主で白色申告で無申告状態が続いたため、今年3月に期限後申告で確定申告を提出いたしました。
消費税を納めないといけない事がわかり調べていたのですが、わからないため質問させていただきます。
令和4年1500万、令和5年2000万の売り上げがあり、すでに申告期限が過ぎていると思うのですが、この場合の申告方法をご教示いただけないでしょうか。
非常に反省しておりよろしくお願い致します。
税理士の回答

米森まつ美
令和2年の課税売上高が1000万円超であれば、令和4年は消費税の申告を要します。
令和3年の課税売上高が1000万円超であれば、令和5年も消費税の申告を要します。
いずれも「期限後申告」として確定申告書を提出します
なお、この無料相談上(文章)ではなかなか詳細を説明するのは難しいのですが、順番としてすべきことは以下のとおりです
1 課税売上高の算出
なお、記載された売上高が全て消費税率10%と仮定します
税込み課税売上高(令和4年1500万円、令和5年2000万円) ÷ 1.1 = 課税売上高(税抜き) で計算します
課税売上高(千円未満切り捨て) × 7.8%(※) =(課税売上にかかる)消費税額
※ 2.2%は地方税分のため、一旦国税分を算出します。
2 課税仕入税額の算出
今まで申告をされていないのであれば、本則課税の計算を行うことになります。
① 仕入や必要経費のなかから、消費税の課税対象となるものを抽出します。
② 消費税の課税対象となるものを、課税区分ごとに区分します。
(10%と8%など)※8%は軽減税率とします
また、仕入れ税額の計算は「積上げ計算」と「割戻し計算」がありますが、「割戻し計算」の方が簡便です
10%の税込仕入額 × 7.8 ÷ 110 = 10%分の仕入税額
8%の税込仕入額 × 6.24 ÷ 110 = 8%分の仕入税額
10%分の仕入税額 + 8%分の仕入税額 = 仕入税額控除対象の税額
3 国税分の納税する消費税額の算出
「①」で計算した消費税額 - 「②」で計算した仕入税額控除税額 = 国税分の消費税額
4 地方税分の消費税額の算出
国税分の消費税額 × 22 ÷ 78= 地方税譲渡割税額(地方分の消費税)
5 消費税の納税額 = 4+5
説例がありますので「書き方」を参考にしてください
「消費税及び地方消費税の確定申告書の手引き」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi_kojin/r05/01.htm
「消費税の計算方法」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6351.htm
ご回答ありがとうございます。
令和4年が1000万を超えている場合はいつ申請が必要でしょうか。

米森まつ美
令和2、3年の課税売上高が1,000万円以上になり「課税事業者の届出書」を提出している場合は、令和4年が1,000万円以上になったからといって改めて届出書(申請?)の提出は必要ありません。
確定申告は必要になります。
はじめて課税売上高が1000万円以上となったのが令和4年であれば課税事業者になるのは令和6年分からになりますので、速やかに「課税事業者の届出書」の提出し、来年の確定申告時に消費税の申告をすることになります。
消費税の課税事業者(消費税の申告・納税義務者)になるか否かは、基準期間(前々年)の課税売上高が1,000円以上となったか否かで判断されます。(前々年が免税事業者の時は÷1.1等をしないことに注意してください)
なお、消費税の申告の方法は先に記載した方法となりますが、課税仕入税額の算出が大変であれば、基準期間の課税売上高が5,000万円以下までは「簡易課税制度」を選択することができます。
簡易課税制度は、売上げの事業区分によって一定の「みなし仕入率」を売上に係る税額に対する仕入税額として控除することができる制度となります。※2年間の強制適用の制度がありますのでご注意ください
この簡易課税制度は、令和5年中に提出しませんと令和6年からの適用ができませんので、ご注意ください。
蛇足ですが
インボイスの登録申請し、インボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)になった場合は、登録の取り消し(※)をしない限り仮に基準期間の課税売上高が1000万円未満となった場合であっても、免税事業者に戻ることはできません。
※2年間は登録取り消しを申請できません
また、基準期間が1000万円以上になり課税事業者になったとしても、インボイスの発行事業者の登録をしない場合は、インボイス番号が付与されず、インボイスの発行はできないことになります。
国税庁HPから参考箇所を添付します
「(消費税の)納税義務の免除}
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm
「簡易課税制度」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6505.htm
「消費税の各種届出書」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6629.htm
「インボイス特設サイト」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm
本投稿は、2024年10月21日 15時09分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。