被扶養者からの借入について
現在は私は会社員をしており、所得税、健康保険の扶養に母親を入れております。母親から今回使途自由で現金の借入をしようと考えています。
この場合所得税、健康保険の扶養は外した方がよろしいのでしょうか。扶養している人からお金を借りることが矛盾しているようにも思い、後で実質扶養していないと受け取られ税務上の恩恵を受けたとして追徴課税等のイベントが心配です。所得税、健康保険の扶養条件は母親は満たしております。
ちなみに借入金は5000-8000万です。
よろしくお願いします。
税理士の回答

石割由紀人
お母様から5,000万~8,000万円の使途自由な現金を借り入れることを検討中とのことですね。この場合、所得税および健康保険の扶養条件にどのような影響があるか、以下に説明いたします。
1. 所得税の扶養控除について
所得税における扶養控除の対象となる扶養親族は、年間の合計所得金額が48万円以下である必要があります。給与収入のみの場合、給与所得控除を考慮すると、年間収入が103万円以下であれば扶養親族として認められます。
お母様からの借入金自体は所得ではないため、これによってお母様の所得が増加することはありません。したがって、この借入が直接的にお母様の扶養控除の条件に影響を及ぼすことはないと考えられます。
2. 健康保険の被扶養者認定について
健康保険における被扶養者の認定基準は、年間収入が130万円未満であることが一般的です。ただし、60歳以上の方や一定の障害をお持ちの方の場合、この基準が180万円未満に引き上げられることがあります。
借入金は収入とはみなされないため、この点でもお母様の被扶養者認定に直接的な影響はないと考えられます。
3. 親族間の金銭貸借に関する注意点
親族間での大規模な金銭貸借は、税務署から贈与とみなされる可能性があります。特に、借入金額が5,000万~8,000万円と高額であるため、適切な契約書の作成や利息の設定、返済計画の明確化が重要です。これらを怠ると、贈与税の課税対象となるリスクがあります。
4. 住宅ローン控除との関連
親族からの借入金を住宅取得資金に充てる場合、住宅ローン控除の適用が制限されることがあります。具体的には、生計を一にする親族からの借入金は、住宅ローン控除の対象外となる可能性があります。
まとめ
お母様からの高額な借入は、適切に手続きを行わないと税務上の問題が生じる可能性があります。なお、扶養控除や健康保険の被扶養者認定に直接的な影響は少ないと考えられます。
迅速なご回答ありがとうございます。
とても参考になりました。
もう一点適切な返済計画についてお伺いしたいです。
金利1%で25年で返済予定で、返済方法は利息のみ返済で25年後に一括返済、もしくは元利均等返済で考えております。
この返済方法は適切な返済計画に当たりますでしょうか。
もし不適切な場合どのように改善すれば良いかもお伺いできると幸いです。
よろしくお願いします。

石割由紀人
元利均等返済が一般的には最も適切とされますが、利息のみ返済でも返済能力と契約内容を明確化すれば問題ありません。
ありがとうございます。
とても参考になりました。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
本投稿は、2024年12月01日 09時05分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。