無料の食事は所得になる?
ある教会施設ではお節が信者非信者問わず無料で振る舞われるのですが、本来は有料で自分だけ無料にしてもらったのとは違い、元から無料の食事は課税対象になりますか?
この前読んだ本で無料でもらったティッシュは一時所得になると書いてあったので気になりました。
税理士の回答

矢尾正俊
ご質問にお答えします。
無料で提供される食事が所得として課税対象になるかどうかは、状況によって異なります。
教会施設のように、特定の目的や慈善活動の一環として広く一般に提供される無料の食事は、通常、課税対象となる所得とはみなされません。これは、特定の個人に対する経済的利益の供与ではなく、公共的な性質を持つためです。
ティッシュなどの販促品とお節のような食事は、性質が異なります:
販促品:企業の宣伝目的で配布され、受け取る側に経済的利益が発生する可能性がある
慈善的な食事提供:公共的な性質を持ち、特定の個人への経済的利益の供与ではない
お忙しい中ご対応いただきありがとうございます。
飲食店などで無料の水やサービスでトッピングが追加されるといった事例は経済的利益になるのでしょうか?

矢尾正俊
飲食店で提供される無料の水やサービスのトッピングは、経済的利益として課税対象にはなりません。
おもてなしの一環としてほとんどの飲食店で行われている慣行であり、特定の個人に対する経済的利益には該当しません。
また水そのものの価値が非常に小さく、課税対象とするほどの経済的利益とは考えられません。サービスのトッピングについてもお通し代を取っているケース、取っていないケースがありますが、これも同じ理由です。
経済的利益の判断基準
経済的利益かどうかの判断には、以下の点が考慮されます:
特定の個人への利益か:広く一般に提供されるものではなく、特定の個人に対する利益である場合に経済的利益とみなされやすくなります。
金額の大きさ:提供される利益の金額が大きい場合、経済的利益として扱われる可能性が高くなります。
提供の目的:販売促進や顧客サービスの一環として提供されるものは、通常経済的利益とはみなされません。
ありがとうございます。ティッシュは宣伝目的で経済的利益になりうるとのご回答でしたが、販売促進や顧客サービスの一環とはならないのでしょうか?
また雑誌の付録や商品を購入した際に本体とは別のおまけで付いてくる物品も経済的利益にならないと考えて良いのでしょうか?
小さい額は経済的利益にならないということでしたが、法律でそう定められているのでしょうか。
1年間の金銭での一時所得が399900円で水1杯100円の経済的利益を申告しなかった、し忘れたとしても脱税にはならないのでしょうか。
色々と追加で聞いてしまい申し訳ございません。
よろしくお願いいたします。

矢尾正俊
回答させて頂きます。
販促品としてのティッシュの扱い
ご覧になられたティッシュは一時所得になるという記載がどのようなニュアンスで記載されているのか、あくまで可能性に言及しているのみなのか存じ上げませんが、ティッシュ配りによる広告は、一般的に販売促進や顧客サービスの一環として考えられます。通常、このような販促品は経済的利益として課税対象にはなりません。その理由は以下の通りです:
1. 広く一般に配布されるもので、特定の個人への利益供与ではない
2. 宣伝目的で提供され、受け取る側の経済的利益は微小である
3. 一般的な商慣習の範囲内とみなされる
雑誌の付録やおまけの扱い
雑誌の付録や商品購入時のおまけについても、通常は経済的利益として課税対象にはなりません。これらは以下の理由で一般的に非課税とされます:
1. 商品やサービスの一部として提供される
2. 正常な商慣習の範囲内とみなされる
3. 値引きやサービスの一環として扱われる
少額の経済的利益の扱い
少額の経済的利益に関しては、法律で明確な金額の線引きはされていませんが、一般的に以下のように扱われます:
1. 微小な経済的利益は課税実務上、無視される傾向にある
2. 社会通念上、課税対象とするには些少すぎると判断される場合が多い
少額の一時所得の申告漏れについて
ご質問の例(399,900円の一時所得と100円の経済的利益)について:
1. 399,900円の一時所得は申告が必要です
2. 100円の経済的利益の申告漏れは、金額が極めて小さいため、通常は脱税とはみなされません
ただし、意図的に申告を避けた場合や、同様の小額の経済的利益が多数あり、合計すると無視できない金額になる場合は、問題となる可能性があります。あくまで100%問題とならないとは言い切れないというレベルとお考えください。
申告の必要性に疑問がある個別のケースで判断を悩まれる場合は、税務署に相談することを推奨します。これにより、不必要な心配や誤った申告を避けることができるかと考えられます。
お忙しい中ありがとうございます。
どんな小さな金額でもカウントされ、値が勝手に増えていくようなのが税金のイメージだったので、小さな金額は無視される傾向があるというのは少し驚きでした。
1円単位で正確に申告しないといけないと強迫的に考えていたので少し安心しました。

矢尾正俊
ベストアンサーありがとうございます。
確認なのですが、少額の経済的利益が多数ある場合問題となるならやっぱり24時間365日経済的利益が無いか数え続ける必要があるのでしょうか...
、

矢尾正俊
一般的な個人に対する僅少な経済的利益については、所得税の趣旨に照らして以下のように取り扱われます:
少額不追及の原則:税務実務では、金額的に僅少な経済的利益については、課税対象であっても実際には徴税しないという原則があります。
社会通念上の判断:使用者が従業員のレクリエーションのために社会通念上一般的に行われていると認められる会食、旅行などの費用を負担することにより受ける経済的利益については、原則として課税しないとされています。
実務上の取り扱い:日常的に発生する些細な経済的利益は、通常課税対象とはなりません。例えば、会社の慰安旅行や無料の社員食堂などがこれに該当します。
記録の不要:一般的な個人は、日々の僅少な経済的利益を記録し続ける必要はありません。そのような慣行は存在せず、過去にそのような例もありません。
所得税法の趣旨は、納税者の担税力に応じた公平な課税を実現することにあります。しかし、あまりに些細な経済的利益まで課税対象とすることは、徴税コストや納税者の負担を考慮すると現実的ではありません。そのため、社会通念上一般的に行われている範囲内の僅少な経済的利益については、課税しないという取り扱いが定着して記録して
実際に僅少な経済的利益について、逐一記録して申告をされている方を聞いたことがありませんし、それを税務当局が問題視して取り扱っているという話も聞いたことはありません。
重ね重ねご回答いただきありがとうございます。
丁寧なご対応痛み入ります。そうなのですね。
私は一時所得というのは他の区分に収まらないあらゆる経済的利益を把握するためにあると考えていたのですが、実務上は違うのですね。
結論としては実務上経済的利益が一円単位でカウントされている訳ではない(=税務署も把握しきれない)
一回に大きな金額を貰ったときは気にするぐらいで大丈夫ということでしょうか。

矢尾正俊
ご認識のとおりです。
明確な所得が発生したときのみで問題ありません。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
一時所得の40万とか贈与税の110万というのは数百円のような小さな金額が積もりつもって,,,,,
というよりは数万円とか10万以上とかのの大きな金額だけを総合して数えてその金額を超えたら申告してくださいねと考えたら良いのでしょうか。

矢尾正俊
はい、そのようにお考え頂ければと思います。
ただし明らかに脱法的な意図をもって少額の利益供与を繰り返している場合は悪質と捉えられるかもしれません。
飲食店等で一般多数の消費者に無料で提供される水や、該当で配られるティッシュ、不特定多数の消費者が購買する雑誌の付録等をいちいちカウントする必要は全くありません。
ありがとうございます。
おかげであまり心配の必要は無いと安心できました。
お忙しい中丁寧に優しくご対応いただき大変ありがとうございました。
これで質問を終わりたいと思います。
ほんとうにすみません。
最後に一つだけ確認良いですか?
誰かに食事を奢られたりといった数千円レベルの贈与や利益もいちいちカウントする必要はありますか?
本投稿は、2025年01月03日 01時44分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。