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古い家屋(築60年ぐらい)の売却時の譲渡所得税について

固定資産税評価額の評価額は200万程度の築60年ぐらいの古い家屋(土地付き)の売却がなかなか進まなかったのですが100万以下なら可能性が出てきました。購入時の価格は古すぎて資料(多分100万より高いと思います。)がありません、この場合、譲渡所得税はかかってくるのでしょうか?

税理士の回答

相談者様 税理士の天尾です。

築60年の建物、土地を購入されたときの資料がないという前提ですと
取得価額の特例というのがありまして
売却額の5%の取得費(原価)となります。
そのため
100万-(100万×5%)×税率20.315%=19.29・・・万円ですね

売却時に何か費用などかかればそれも原価にいれることが出来ます
参考です。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3258.htm

 土地建物を譲渡(売却)した場合における分離長期譲渡所得の金額は、土地建物を譲渡した金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。しかし、譲渡した土地建物が先祖伝来のものであるとか、購入した時期が古いなどのため取得費の額がわからない場合があります。このような場合には、取得費の額を譲渡収入金額の5%相当額(概算取得費)とすることができます(措法31の4、措通31の4-1)。ただし、概算取得費が実額取得費に満たないことが証明された場合には、分離長期譲渡所得の金額の計算上控除すべき取得費の額は、実額取得費とします(措法31の4ただし書き)。
 つまり、実額取得費がわからければ、取得費の額は売った金額の5%相当額とします。今回の質問者さんのケースでいうと、売却金額100万円以下とのことですので、質問者さんが、税理士に申告依頼をしないで概算取得費を利用して、単独で申告して納税すれば良いと思います。
 ただし、売却金額が大きくなりそうで、概算取得費をできれば利用したくない場合は以下の裁決事例も参考になると思います。
 取得費の額が不明の場合、基本的には概算取得費とせざるをえませんが、平成12年11月16日裁決(裁事60集208頁)では着工建築物構造単価や、市街地価格指数を基に建物、土地の取得費を計算することを認め、次のとおり判断しています(以下、判断の要旨)。
「本件建物の取得費は、取得時期は判明しているが取得価額が不明なもの(新建物)については、N調査会(以下「調査会」という。)が公表している着工建築物構造別単価から算定する。また、本件宅地については、譲渡価額の総額から建物の取得費を控除して宅地の譲渡価額を算定したうえで、譲渡時に対する取得時の六大都市を除く市街地価格指数(住宅地)の割合を乗じて算定する。上記の算定方法は、調査会が公表した数値であり、市場価格を反映した近似値の取得費が計算でき、合理的であると認められる。」
 なお、着工建築物構造別単価は、建築着工統計(国土交通省)として公表されていますが、国税庁のホームページで公表している「譲渡所得の申告のしかた」に掲載されている「建物の標準的な建築価額表」も建築着工統計を基にしているため、そちらを参考にしても良いと思います。また、市街地価格指数は一般財団法人日本不動産研究所が公表しています。

外部リンク先 
国税庁HP「取得費が分からないとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3258.htm

国税庁HP「平成30年分譲渡所得の申告のしかた-【参考2】建物の標準的な建築価額表及び給与所得金額の計算表など」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2018/kisairei/joto/pdf/013.pdf

国税不服審判所HP「土地・建物を一括して譲渡した場合において、それぞれの取得価額が不明なときには、[1]先ず建物の取得費をN調査会が公表している着工建築物構造単価から算定し、[2]次いで土地の取得費は、譲渡価額の総額から建物の取得費を控除し、土地の譲渡価額を算定した上で、譲渡時に対する取得時の○○価格指数(住宅地)の割合を乗じて算定した事例-平成12年11月16日裁決(裁事60集208頁)」
http://www.kfs.go.jp/service/JP/60/19/index.html

早速の回答ありがとうございます。
追加の質問で恐縮ですが、
建物の一部の修理を前提に売却となった場合、この費用は売却時の費用として参入できますか。
また修理費が売却費を超えた場合、譲渡所得税は発生しないのでしょうか。

相談者様 税理士の天尾です。

そのケースですとちょっと難しいですね
税法という法律の基本通達で取得費の云々かんぬんが
記載されてるのですが最後に

(注) 譲渡資産の修繕費、固定資産税その他その資産の維持又は管理に要した費用は、譲渡費用に含まれないことに留意する。

( ゚Д゚)
って文章が引っ付いてます。
ですので譲渡の経費にはならないです。

ですので売却後に修理をしてもらう前提として売却価格を決めるしか
ないですね。

本投稿は、2019年08月04日 15時30分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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