土地家屋の無償贈与を前提とした家賃の贈与税組み込みの扱い
土地(小規模住宅用地)と昭和50年代の家屋を相続しましたが、不要なので親しい友人に無償贈与することを前提に、贈与税相当額になるまでは賃貸する予定です。但し、贈与を受けるかどうかは贈与税以外の追加費用によって決めたいとのことです。
土地の評価額は約500万円、家屋は約140万円で、これを第三者に無償贈与するときの贈与税は約135万円との参考額試算があります。
月額3万円程度で数年賃貸で入居してもらい、固定資産税を控除した賃貸料の合計が贈与税を超えた段階でその賃貸料相当分全額を相手に無利息で返金して贈与税に使ってもらうことは可能でしょうか?
加えて、相手には不動産取得税がどの程度になるでしょうか?
私はサラリーマンですが税務手続きや負担すべき税金等はありますか?
ご指導よろしくお願いします。
税理士の回答
まず、贈与される価額が640万円の場合の贈与税は94万円となります。
つg、受け取った賃料を将来ご友人に返金するとのことですが、返金した時点で相談者様からご友人に対する贈与とみなされますので、ご友人に贈与税が課されることになると思われます。
不動産を贈与で取得したときも不動産取得税がかかりますが、自己の居住用の不動産の場合には一定の軽減の特例があります。特例の適用の可否は家屋の建築年月、床面積等の条件で判定します。詳細は東京都主税局のホームページをご参照ください。
家屋を賃貸して家賃を受け取る場合には、家賃収入を不動産所得として確定申告する必要があります。家賃収入から必要経費を差し引いて利益が出る場合には所得税住民税等がかかります。ご留意ください。
宜しくお願いします。
服部先生、早速のご助言、大変参考になりました。旧宅は耐震基準を満足していないので不動産取得税の軽減措置は受けられないようです。
家賃を贈与税相当分として返金する場合にも贈与税がかかるとのことですが、今回の例ではどのくらいになるのでしょうか?
ご面倒をおかけしますが、参考額を教えていただきたく、お願いいたします。
ご連絡ありがとうございます。
仮に贈与税相当額(94万円)だけを贈与した場合には、贈与税の基礎控除額(110万円)以下となりますので、ご友人が他に贈与で取得する財産がなければ贈与税はかかりません。
しかし、土地家屋(640万円)の贈与と、現金(94万円)の贈与が同一年に行われますと、両者を合算した金額が贈与税の課税対象となりますのでご注意ください。同一年に贈与を行ってしまいますと、94万円の贈与税が125万円程に増加してしまいます。
贈与税の納税は、贈与された翌年の3月15日が期限となります。従って、次のように贈与を行って頂ければ宜しいと思います。
例えば、
① 平成31年中に土地家屋の贈与を行う⇒平成32年3月15日までに贈与税納税(仮94万円)
② 平成32年1月~2月の間に現金94万円の贈与を行う⇒①の贈与と年が変わり、新たな基礎控除額以下のため贈与税なし
なお、土地家屋の評価額は贈与する年の「相続税評価額」になりますのでご留意ください。
以上、宜しくお願いします。
服部先生、このたびは大変有益なアドバイスを賜りましてまことにありがとうございます。実際に贈与を受けるかどうかはその時期の評価額や勤務地によって検討することになりました。その際には今回のアドバイスを活用させていただきます。
どうもありがとうございました。
本投稿は、2016年10月16日 02時49分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。