親子間借用(死亡後に不動産売却による返金)
義父が93才と高齢で一人暮らしをしていましたが、入院しており、いよいよ施設入居を計画しています。義父に預金は少なく、不動産があります。娘(私の家内)が唯一の相続人です。毎月の施設費用が結構、高額であり、私が義父の口座にまとまったお金を送金し、その中から毎月支払いを予定したいと考えています。義父が亡くなった後に不動産を売却して、家内から返済してもらう予定です。義父からの借用書をもらえば、贈与税回避できると思っています。本来であれば、不動産を売却した後に、その資金を利用して施設に入居すれば問題ないのですが、事情により、ここでは義父死後に売却を前提としてご回答お願いします。
また、家内からの返金を求めない場合は、家内への贈与とみなされるのでしょうか?
この場合は、家内への借用書を準備する必要がありますか?必要であれば作成のタイミングは?(不動産売却後でOK?)
1.義父に贈与税がかからないために、借用書を準備すればOKか?
2.義父の死後、不動産売却により家内より返金を受けるが、義父からの借用書があれば、家内からの贈与とみなされないか?
3.借用書の注意点は?
①印紙は必要か?
②義父の押印のみでOKか?(署名が必須か?)
税理士の回答
相談者様とお義父様が「生計が一」かどうかで、税の取り扱いが異なります。
まず、「生計が一」(相談者様がお義父様の生活費を全面的に支えているような場合)の場合には、相談者様はお義父様の扶養義務者になりますので、毎月の施設費用を相談者様が負担しても贈与税が課されることはありません。扶養義務者相互間の生活費は必要な都度、必要な金額を贈与する分には贈与税が非課税とされています。(まとめての資金移動は避けてください。)
次に、「生計が一」で無い場合には、お義父様と借用書を交わして頂いた方が良いと思います。借用書には金額に応じた収入印紙の貼付が必要です。金額は国税庁のホームページをご参照ください。また、お義父様には自署して頂いた方が良いと思います。
お義父様の借金は相続によって法定相続人である奥様に引き継がれますので、奥様にお義父様の借金を返済する義務が生じます。従って、奥様から借金を返済されても、それはお義父様に貸したお金の返済になりますので、贈与税が課されることはありません。
以上、宜しくお願いします。
早速の回答ありがとうございました。「生計が一」ではありませんので借用書を準備したいと思います。利息をとるつもりはありませんので、無利息にしたいのですがOKでしょうか?NGであれば、年利で最低いくら必要でしょうか?義父の自署が良いとのことですが、難しい場合は、押印のみでもOKでしょうか?押印のみでは無効になってしますのでしょうか?借用書の記載内容ですが、死後に不動産売却後に家内から返金を受けるので、返済期日は記載しないでOKでしょうか?その他注意点があれば教示ください。よろしくお願いします。
ご連絡ありがとうございます。
利息は無しでも問題ありません。自署が難しい場合には記名式にして実印を押すようにしてください。無効になることはありません。
借用書は返済期日を記載するのが理想的ですが、本件の場合には記載できませんので仕方ないと思います。貸主名を表記して、借用金額・借用日・借主名を明示して作成してください。
なお、借用書は印紙税の課税文書になりますので、記載金額に応じた収入印紙を貼付する必要があります。その点はご留意ください。
宜しくお願いします。
何度も回答ありがとうございました。了解いたしました。
追加での質問が発生しました。当初の質問に記載しましたが、「家内から返金を求めない場合は、家内への贈与とみなされるのでしょうか?」について、ご回答をお願いします。義父のために、送金するので、本来は義父との間で借用書を準備して対応し、義父死亡後に義父の不動産を売却し、一人娘である家内が相続するので家内から返金してもらうべきものですが、夫婦間ですので、家内の口座のままでも良いかとも思っています。尚、夫婦間には子供はいません。
また、家内から返金してもらう場合は、義父との間で借用書を準備して対応すれば贈与税は発生しない旨の回答をいただいていますが、義父との間で借用書を準備しないと、何らかの税(義父への贈与税とか家内からの贈与税など)が発生しますか?
ご連絡ありがとうございます。
奥様からの返金を求めない場合には、奥様にとっては債務を免除されることになりますので、奥様に贈与税が課されることになります。ご夫婦の間とはいえ金銭貸借の精算は明らかにしておかれた方が良いと思います。
借用書がない場合にはお父様への贈与の問題が否定できません。贈与でないことを後日証明するためにも借用書等の書面による資料の作成をお勧め致します。
宜しくお願いします。
度々のご回答ありがとうございました。
本投稿は、2016年10月16日 08時40分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。