役員社宅としての経費計上を行うために、なぜ法人名義での賃貸借契約が必要なのか?
役員社宅としての経費計上を行うために、なぜ法人名義での賃貸借契約が必要なのか?
節税に関するWebサイトや書籍を何冊か読んでいるのですが、
役員社宅としての経費計上を行うためには、「法人名義での賃貸借契約を結ぶことが必要」という記載が多いのですが、この記載に疑問を持ちました。
例えば、役員が個人名義で賃貸者契約を結んだ物件を法人に貸し出すとして考えた場合、
実際に物件を貸し出している業者との民法における問題があるのは承知しているのですが、法人の経理には関係ない問題であると思っています。(特に、賃貸借契約の内容に、又貸しを禁止する条項がない場合)
そのため、民法以外の理由で「法人名義での賃貸借契約を結ぶことが必要」とされているのだと思っていますが、具体的に何の根拠によって、この記載がされているのかを、お教えいただきたく思っております。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

自身の経営する法人でも、法人と経営者個人は全くの別人であり、特に同族会社の場合はご記載のように転貸借を恣意的に行うことで、所得調整や租税回避が容易にできてしまいます。
なお、又貸しを禁止する条項がなければ転貸が可能ではなく、民法上、家主が承諾した場合に転貸が可能であると聞いています。こちらは税理士の専門外ですから弁護士にご相談ください。
法人と経営者個人は全くの別人であり、特に同族会社の場合はご記載のように転貸借を恣意的に行うことで、所得調整や租税回避が容易にできてしまいます。
法人税法 第132条 同族会社等の行為又は計算の否認の、「法人税の負担を不当に減少させる結果となる」と考えられるためでしょうか?
役員報酬の金額が年度を通して変更できないのと同様に、一貫性を持った合理的な金額を家賃として、個人と法人間の賃貸借契約書に定めていれば、「不当」「恣意的」にならないのではないかと思うのですが。

役員社宅にしたいのであれば当初から法人で契約をすべきであって、わざわざ役員個人で契約をしてそれを法人に転貸する(大前提は家主に転貸の承諾を得ることですが)ことは合理的な説明になりませんから、その行為が租税回避目的と認められれば、当然否認されるでしょう。
私の見解は以上なので、後は税務署にお聞きください。
本投稿は、2023年07月31日 00時51分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。