親子間の土地の使用貸借後の造成費用は誰の負担?
お世話になっております。
実家の敷地内を一部農地転用、分筆し、父と子で無料で土地を貸す「使用貸借」を結び、子ども夫婦どちらもお金を出し合ってハウスメーカーで家を建てます。
接道を取るために橋掛け、水道管本管工事等の造成費用が必要です。
土地の造成はハウスメーカーがすると高いので、自分たちで探して別途契約します。
この場合、贈与税を回避するために、下記は誰が支払う必要がありますか?
①土地の持ち主の「父親」
②土地を使用して家を建てる「子」
③土地を使用して家を建てる「子の配偶者」
④ 「子」と「子の配偶者」
⑤「父親」「子」「子の配偶者」誰でも大丈夫
また、住宅支援援助金の制度を使用することも考えましたが、ハウスメーカー以外の企業に宅地造成を依頼する場合、不可でしょうか。
アドバイスをお願いしたいです。
どうかよろしくお願いいたします。
税理士の回答

川崎めぐみ
贈与税にならないために資金負担を誰が行うか回答申し上げます。
1.接道を取るために橋掛け
その橋を利用する人が負担することになります。
接道をとるために架ける橋は、税務上は「構築物」に該当します。
土地の取得費とはならないため、分筆後に架けたその橋をどなた様が利用されるかで資金負担が変わるかと判断しております。
分筆後に架けた橋を、お父様もお子様ご夫妻様も皆でご利用される場合は、お話合いになるかと存じますが、半々の費用負担になりますでしょうか。
その橋が、お子様ご夫妻様のご自宅にしか渡れないものである場合は、お子様ご夫妻様がご負担された方がよいかと存じます。
(一般的な事例に置き換えると、土地を買って建物を建てるときに、接道をとるにあたって橋が必要であれば、橋の費用の負担は、建物を建てる施主が負担されることになるかと存じます)
2.水道管本管工事等
④ 「子」と「子の配偶者」
にご負担いただくことになります。
水道本管の引込工事に該当し、税務上は、(土地の造成工事ではなく)建物附属設備の給排水設備に該当します。
また、建物を建築するために行う通常程度の土盛り・地ならしは、建物取得費に該当しますので、建物を建築されるお子様ご夫妻様にご負担いただくことになります。
3.(ご参考)住宅取得資金贈与
ご質問の趣旨とはずれますが、お父様がお子様が建築される住宅資金を援助されたい場合は、住宅取得資金贈与をご検討いただけますと幸いです。
建築される建物の種類によって贈与税の非課税枠がかわりますが、省エネ住宅など住宅性能の高い住宅の資金援助の場合は1,000万円までの贈与は非課税、それ以外の住宅の資金援助の場合は500万円までの贈与が非課税になる制度です。
(ここでは省略しますが、実際にご利用される場合は、建築される建物が制度の趣旨にあった建物かどうかハウスメーカーに確認する必要がありますし、その他税務上の留意点がありますので注意が必要です。)
4.住宅支援援助金の制度を使用することも考えましたが、ハウスメーカー以外の企業に宅地造成を依頼する場合、不可でしょうか
住宅支援金制度は、対象なる事業者が補助事業者として登録しているか、対象となる工事かによって判断がわかれますので、ご依頼する工事業者にご確認いただく必要がございます。
また、利用される住宅支援金制度が、所得税法上の税額控除に該当する場合は、住宅ローン控除との選択適用となる場合がございます。
利用される支援金が単なる補助金なのか、税額控除の類のものかご確認いただくこともポイントになるかと存じます。
川崎先生、お忙しい中、詳しい理由まで添えていただきご回答くださり深く感謝申し上げます。
橋かけは「構築物」という考え方があると知れて大変有り難かったです。勉強になると共に、不安が解消しました。
私ども夫婦が利用するために整備するため、費用もそのように負担したいと思います。
住宅支援金援助制度もハウスメーカーの方と良く話し合い、活用できるところは両親に協力をお願いしたいと思います。
重ねて、ありがとうございました。

川崎めぐみ
内容のご確認をいただきまして誠にありがとうございます。
少しでもお力になれまして安心いたしました。
また何かご質問がありましたらよろしくお願い申し上げます。
本投稿は、2025年04月01日 11時24分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。