役員貸付金による社宅購入
小規模な合同会社を経営しています。
経営者個人の余剰資産があるので、会社に役員貸付金として貸し付け、社宅兼事務所として住宅を購入できないかと考えております。
毎年ある程度の利益が出ているので、そこから毎年、役員貸付金を返却する予定です。
業績が良ければ3、4年分の利益で役員貸付金を返却できると計画しています。
このスキームを実行した場合、毎年、役員貸付金を返却する分、利益が減る(節税になる)と考えますが、正しいでしょうか。
なにか税法上の問題はございませんでしょうか。
また、経営者個人の資産として住宅を購入し、会社と社宅契約する方法もあると思います。一般的にはどちらが節税効果がありますでしょうか。
物件は現金で購入する予定です。
税理士の回答

梶原光規
経営者が会社にお金を貸し付け(会社を中心に考えるので役員借入金といいます)、その資金で会社が不動産を購入し、その不動産を社宅に利用することはできます。
このとき、経営者が無償で社宅を利用する場合は、経済的利益の供与となり、税務上問題となりますので、適正な家賃の設定が必要です。
役員貸付金を返却する分、利益が減る(節税になる)と考えますが、正しいでしょうか。
間違いです。借入金の返金は経費でも損金でもありません。
経営者個人の資産として住宅を購入し、会社と社宅契約する方法もあると思います。
他の従業員の社宅とするということならあり得ますが、同族間ではありえません。
わかりやすい回答ありがとうございました。考え違いをしていたところがありましたので大変参考になりました。
現在も賃貸の社宅に適正家賃を支払い利用しておりますので、それと同じように適正な家賃を支払います。
借入金の返金は考え違いをしておりました。ご教示いただきありがとうございます。
役員貸付金で住宅を購入した場合、該当年は赤字になります。
翌年以降、欠損金を繰り越して、社宅を購入しなかった場合と比較して、税金を減らすことは可能でしょうか。

梶原光規
実際に税金が減るかどうかはわかりません。
青色申告であれば、欠損金を翌期以降に繰り越すことはできます。
しかし、不動産を購入し、社宅として利用する際に、会社は家賃収入が発生します。
また、不動産を購入しても、支払額が全額費用(損金)になることはありません。
建物分は減価償却費というかたちで耐用年数に応じて費用になります。土地の部分は減価償却できません。
不動産の購入額が全て経費になって赤字になると考えていたのなら間違いです。
本投稿は、2020年09月29日 23時22分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。