youtubeを利用した節税手法(車紹介動画など)とマイクロ法人について
現在総合病院に雇用される勤務医として給与収入を得ています。常勤勤務先以外に非常勤勤務先が一つあるため毎年白色申告で確定申告しています。勤務医として得られる給与以外の収入はありません。
今回中古のアルファードを購入して、運転時や後部座席着座の使用感、一般に購入前試乗では体験できない高速道路を利用した長距離運転時のインプレッションや、購入前には出来ない車の内装改造、車中泊での使用感などを動画としてまとめてyoutubeにアップしたいと考えています。youtubeチャンネルは作成前で登録者数はゼロ、広告収益化前の段階です。
今後youtubeチャンネルとして成長させていきいずれ広告収入を得たいという建前でアルファード関連の様々な動画を複数アップしたいと思います(本音は広告収入を得たいわけではなく車の経費化が目的です)が、動画作成目的以外に通勤や私的なレジャー等にも使用するつもりです。
質問は以下です。
①今後の収益化を目的としたyoutubeチャンネル運営は「副業」ですが、事業所得として青色申告は不可能でしょうか?白色申告の雑所得として申告しなくてはいけないでしょうか?雑所得扱いなのであれば、病院の給与収入と損益通算をして私個人の課税所得を圧縮することは不可能でしょうか?
②車両購入費(ローンとするつもりです)や、さらに動画作成の為のガソリン代、車検代、自動車税等の諸々の車両関連費の経費計上は可能でしょうか?家事按分のために動画作成に関連する車の使用履歴(日付、ガソリン代、走行距離数)は記録しておこうと思います。
③本業は今後も医業ですが、来年とある医療法人と委任契約をして新規開業分院の院長(施設管理者)として勤務し給与として収入を得る予定です(いわゆる雇われ院長)。個人事業主扱いではなくあくまで被雇用者と見られるでしょうか?ここで、前述の医療法人とは関係のない私個人のマイクロ法人を設立して事業内容を医業とは別のyoutubeチャンネル運営と設定(法人youtuber)したとします。前述の車紹介動画の車両関連費以外に家賃を経費化することは可能でしょうか?また車や住居費以外に様々な日常生活費の経費化を目的として、例えば携帯電話のレビュー動画や外食費の食レポ動画をアップすることは実現可能でしょうか?
マイクロ法人の売上はほぼなく赤字状態がずっと続くことになると思います。
税理士の回答

丸山昌仁
回答します。
① 雑所得は青色申告の要件ではありません。また雑所得の赤字は「0」となります。このため給与から差し引くことはできません。
② 業務に関連する部分の経費計上は可能です。
③ 赤字のマイクロ法人を作っても、個人の雑所得の場合と比べ、あまりメリットは感じられません。マイクロ法人で役員報酬を取ると、個人の所得税が増える可能性もあり、例え税金が還付でも住民税は増えます。また法人が赤字でも法人住民税、事業税の均等割が新たに発生するのでメリットは見えません。
丸山先生
ご回答ありがとうございます。
①
給与所得との損益通算を目的とした副業における種々の経費化(副業における損失分を給与所得から控除)ですが雑所得では認められていないことを理解しました。
事業所得あるいは不動産所得では青色申告による給与所得との損益通算が可能と思いますが、今回例に挙げたyoutubeチャンネル運営が「事業」として認められる可能性はいかがでしょうか?
下記サイト本文末尾では、「事業」の認定基準が、自己の危険と計算においての独立性、営利性と有償性、反復継続性、客観的社会的地位にあるとのことでした。
youtubeチャンネル運営ですが、広告収入化前の段階(いずれ広告収入化を達成したい目論見はあると弁明する)では営利性がないと判断されるでしょうか?
また仮に広告収入化が達成されても売上に比して経費が過大である場合には、ただ単に所得圧縮したいだけの租税回避目的として否認されるでしょうか?
さらに比較的に新しい業務内容ですので、「事業」における客観的社会的地位の要件についてもグレーなのでしょうか?
③
マイクロ法人についても、法人の業務内容が前述①の「事業」基準を満たすことが前提条件になるのかもしれませんが、
youtube運営に限らず、一般的に「給与所得者がマイクロ法人を設立して本業とは別に副業として事業所得を得る」場合についてお伺いしたいです。
マイクロ法人の事業で発生した損失を本業の給与所得と損益通算することは可能でしょうか?

丸山昌仁
事業か雑かの基準はあなたがお調べになったとおりです。個々の事案で判断されます。このため最終的には税務署で個々の事案に基づい確認を得るのが安全だと考えます。
また、残念ながら法人の損失は個人の所得と損益通算はできません。
承知しました。
様々ご教授くださりありがとうございました。
事業につきましては、おそらくですが別に本業を持つ私が副業として行うのではなく、例えば専業主婦である妻が個人事業主登録をして本業として事業を行う形態の方が、事業所得としての認定を得る上では有利でしょうか。

丸山昌仁
そのとおりです。給与は勤務の上で拘束されることから事業認定は難しいので、個人事業主の方が問題はありません。
丸山先生
承知しました。
妻が個人事業主、という方向で今後検討していきたいと思います。
ありがとうございました。
本投稿は、2022年06月29日 02時09分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。