中学受験をテーマとしたブログを運営、子供の塾代、参考書代は経費になるか?
IT分野の個人事業主をしています。
メインとなる収益事業はソフトウェアの開発や特許権などのライセンスで、おかげ様で、ある程度の収益を安定して得られています。
ところで、現在小学生の子供は中学受験を目指して進学塾に通い、毎日、学校で習うより難しい内容の参考書に取り組んでします。
当方は地方出身という事で、中学受験に関しては塾の先生や諸先輩方のブログなどを参考に情報収集をしているのですが、その中には、ブログに広告が埋め込まれているものや、記事一本いくらで有償公開されているものがある事に気が付きました。
小なりとはいえ、当該領域の記事を執筆する事によって収益を得ている以上、当該事業主にとって『中学受験体験記』を執筆するための費用は必要経費であるというロジックは成り立ちそうに思えます。
そうすると、塾の月謝や参考書代、公開模試の費用などは当該"事業"の経費として考えて差し支えないということになり、そうであれば、当方も個人事業の第3の柱として中学受験ブログを執筆してみようかな?という気になってきました。
税理士先生の目から見て、こういったロジックは"アリ"でしょうか?
また、認められる、認められないケースがあるとしたら、その分かれ目はどの辺でしょうか?
以上、よろしくお願いします。
税理士の回答

土師弘之
「必要経費」とは、所得を得るために必要な経費のことで、「収入金額を得るために直接要した費用の額」及び「その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額」を指しています。
この定義から考えると、小学生の子供が中学受験を目指して進学塾に通うために支出する塾の月謝や参考書代、公開模試の費用などは、中学を受験するために必要な費用であって、「中学受験体験記」をブログに上げるために直接必要な費用とは言えないと考えられます。
実際に受験するのは小学生である子供です。その子供がブログを上げるために自分で受験費用を負担して受験をするのであればともかく、現実的には親が出すべき受験費用を親の事業経費にするというのは常識から言って無理があるのではないでしょうか。
また、「中学受験体験記」は中学受験の副産物であり、受験生に取材することでかかった費用しか必要経費にはなりえないと考えられます。さらに、中学受験そのものに間接的に収益を得るための部分があるという理屈をこねたとしても、実際にそれがどれか指摘するのも難しいと思われます。
このように、ブログで収益を得たとしても、中学受験そのものが収益を得る目的であったとは常識的には考えられません。
したがって、おっしゃるようなロジックは無理があると思われます。
ありがとうございます。中々難しいものですね・・・。
本投稿は、2022年08月24日 14時29分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。