公務員在籍中の開業準備について
地方公務員です。3月で退職し、4月から個人事業主として開業する(治療院)予定です。開業にあたり、建物代や、勉強代、その他、開業準備に伴う支払い等が発生した場合、開業後にさかのぼって経費等で計上できるのでしょうか?
また、開業届などは在籍中に出すことはできるのでしょうか?
税理士の回答
良波嘉男
ご質問の件について、結論からお伝えします。
1. 開業前の支出も「開業費」や「開業前準備費」として経費計上できます
治療院の開業準備のために支払った費用は、開業後に経費として計上することが可能です(所得税法基本通達37-11)。
対象となる典型例:
開業物件の契約費・内装費
ベッド・備品・器具
セミナー・研修・教材などの勉強代
ホームページ制作費
開業前に行った打合せの交通費
ポイント:事業開始のために支出したと説明できるかが重要です。
2. 開業届は「公務員在籍中は提出できない」が正しいです
地方公務員には兼業禁止規定があります(地方公務員法第38条)。
そのため、
開業届(税務署)
個人事業主としての届出全般
は、公務員在籍中には提出できません。
提出できるのは、
退職日以降又は 退職日と同日に提出するパターンです。
3.「準備行為」は公務員でも可能です
治療院の勉強・物件探し・機器購入などの“準備行為”までは、公務員でも禁止されていません。
注意点:
在職中に「開業届」提出はNG
在職中に「収入が発生する活動」はNG
名刺配布・SNSで予約受付など“事業行為”もNG
開業は退職後にスタートする必要があります。
本投稿は、2025年11月21日 11時25分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







