個人事業主の開業費に自宅の火災保険等を含めることは可能でしょうか?
個人事業主が開業準備を行っていた場合、賃貸などであればその金額も含めることができるようですが、自宅の場合はどうなるのでしょうか?
保険や固定資産税がかかるとして、自宅の4分の1を借りていると仮定した場合、4分の1に按分して開業費に含めることはできるのでしょうか?
税理士の回答

個人で事業をされている場合で、生活用の建物や車などの資産を事業用として使用する場合、必要経費に算入できる金額は、白色申告と青色申告で差があります。
白色申告の場合、
家事上の経費に関連する経費の主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合における当該部分に相当する経費
となっており、「主たる部分」が事業用である必要がありますので少なくとも50%を超えている必要があると思われます。
青色申告では、
取引の記録等に基づいて、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務の遂行上直接必要であつたことが明らかにされる部分の金額に相当する経費
となっていますので、10%とか20%とかでも必要経費に算入できることとなります。
ご質問の方の場合、まずどちらの申告をされているかによって経費に計上できるかの判定が必要です。
また、青色申告であって、経費計上割合を判定する場合、客観的にみて合理性がある部分のみが経費に計上できるものとなります。
自宅の場合ですとローンの金利や水道光熱費、修繕改修工事費、保険、固定資産税等も対象になるか判断が必要でしょう。
客観的にみて合理性がある部分のみが経費に計上できるものとなります。
青色申告を前提とし、自宅の一画で開業のための学習、もう一画で学習に使用した書籍等を保管していた場合、両区画とも合理性があるといえるでしょうか?
その場合保険や固定資産税を按分して計上することはできるでしょうか?

開業のための学習・・・開業に向けてその準備との事でよいでしょうか?
この場合、開業に係る一時的な使用となり、確かに事業遂行上必要なのもはあるのでしょうが、必要経費として参入できる部分はかなり少なくなると思います。
また、継続的に経費に算入されるものではなく、一時的なその部分の経費算入となります。
その理由は、何時間そこで開業の準備のために使用したか、どの程度の面積が必要であったか、等によるためです。
書籍保管用の場所・・・その書籍が100%事業用として開業後もそれらの書籍を事業に活用するとしますと、それらの書籍を保管する場所については事業用と言えます。
使用する場所の面積により全体の費用から按分率を算定することになるでしょう。
保険(火災保険でしょうか)や固定資産税についても、上記の按分により計上は可能と思われます。
ありがとうございます。面積の割合×使用時間による按分ですか。
例えば水道代なども他に合理的な説明・根拠がなければ上記をもとに計上すれば良いのでしょうか?(それとも面積の割合だけで良いのでしょうか?)
少し話がそれますが、水道代が経費と計上できるのはどういった理由からでしょうか?
例えば業務の合間のトイレや飲料水などが経費としてかかっているから計上できるとイメージするば良いのでしょうか?

使用する家屋の一部を必要経費とする場合、時間、面積、頻度など、案分するモノサシを合理的に見積もることが必要です。
ご質問の保険料や固定資産税などの場合ですと、使用する面積と時間でよいかと思います。
また水道代ですが、水道光熱費(水道代、電気代、ガス代等を指します)の内、必要経費に算入しやすい部分は電気代です。
これは、通常事業でパソコンを使ったり照明を使ったりすることが多いためです。
水道代については、トイレや飲料水等の部分は生活費としての側面が強く、必要経費にはならない部分です。
ガス代についても水道代と同じです。
しかしながら例えば、料理講習のために水道やガスも事業上使用するとか、どのような業種のお仕事かにもよりますので、「水道(またはガス)は生活で使う以外に事業でも使う部分がこれだけある」等ありましたら、どのくらい使うのかを合理的なモノサシで按分し必要経費に計上することになります。
本投稿は、2020年08月18日 14時17分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。