会社設立時の事業目的の書き方(末尾)について
法人を設立する準備をしております。
定款の事業目的について、末尾に「前各号に附帯または関連する一切の事項」といったように記載するのが一般的だと思いますが、「その他適法な一切の事業」という文言を入れたいと考えています。
(「その他適法な一切の事業」=基本的にどのような事業も行える法人)
会社の主たる事業の内容にを具体的に記した上で上記のような文言を加えることを検討しています。
・この文言にすることによるデメリットはありますか?
・法人の銀行口座を開設する際に不信感を持たれてしまうことなどはありますか?
税理士の回答
ご質問は税理士ではなく司法書士や弁護士の専門領域となりますので、司法書士か弁護士にご相談ください。
以下は私見です。
おそらくそのような定款は認証されないと思います。
また、元銀行員という立場から言えば、仮に事業目的がそのような記載であれば、明らかに不信感を抱きますので、融資などの与信は通らないと思います。(債権者として保護されない危険性があるため)
前田靖先生
お返事ありがとうございます。
元銀行員というお立場から、ご意見をお聞かせいただき大変参考になりました。
大手企業でも
「その他商業全般」(NTTドコモ)
「その他適法な一切の事業」(エーザイ株式会社)
「前各号に定める業務以外の一切の事業」(光通信)
といった事業目的を掲げているところがあったので、そのような記載も許されるのかと思い質問いたしました。
従来通り「上記各号に附帯関連する一切の事業」という文言で締めくくっておいたほうが無難ですね。
上場企業は、主たる事業に付随しての記載かと思いますし、定款の変更は株主総会の特別決議(3分の2以上)を要しますので、ガバナンスが働いています。
一方、非公開の同族会社はある意味容易に定款変更が出来てしまいます。
丁寧なご回答、誠にありがとうございます。
会社の事業目的は、株主のみならず、第三者(取引先や債権者等)にとって重要な意味をもつのですね。
不明確な目的を記載することは避けたいと思います。
ご教示いただいた内容は、会社設立を進めるうえで大変勉強になりました。
定款の事業目的以外の事業に資金を投下することは目的外使用となり、債権者(特に金融機関)から会社の資力を確保するため行為そのものの無効を主張される可能性があります。
それ故に定款(目的変更に限りませんが)の変更には特別決議という高いハードルが設けられているものと思います。
本投稿は、2020年11月06日 14時27分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。